痛み止めをもらったので、飲んでいたら、だいぶ痛みは減った。しかし、これ、治っているわけじゃないんだよなあ。


 けものフレンズたつき監督降板の話。こうなったら、もう、元には戻らないよなあ。角川はじめ、馬鹿なことをやったものだ。
 ファンは、作中世界とその創造者にこそシンパシーを抱くもので、金を出した人間にシンパシーを抱くものではない。裏の乱闘を表に出してしまった時点で、コンテンツ商売のセンスがないと言わざるをえない。つーか、ここでたつき監督がツイートしなくても、二期の発表の時点でばれて、炎上するわけだしな。コラボ先がこの程度の段階で発覚して良かったんじゃね。
 こうなると、買い逃していた円盤を買えないなあ。角川に行くと考えると。不買運動するなら、ラノベ買うのやめるのしかないかな。ラノベはほぼ、角川の商売だからな。とりあえず、新作購入の停止か。

鍛代敏雄『戦国大名の正体:家中粛清と権威志向』

 戦国大名がどういう条件で存続していたかを探った本。エピソードを羅列するスタイルなので、途中で息切れしかかった。特に、第2章の「大名の条件」が長かった感が。個別の紹介されるエピソードは、おもしろいのだが。


 第1章は家臣団統制の話。父子兄弟間対立や一門、重臣の粛清を通じて、家臣団をまとめ、武威を強調した。一方で、家臣団の側にも一揆的な結合があり、度が過ぎると、当主が追放なり殺害なりされることになる。粛清と一揆的結合のバランス。
 家臣団の横のつながりが薄かった織田信長は、そういうところで、動きやすかっただろうな。


 第2章は、「大名の条件」として、戦国大名のいろいろ。
 まとめにくいけど、「自己の力量」による排他的な支配の達成。「国家の安全保障」を旗印に、戦争を遂行し続けることで、国家が維持された、「軍事国家」であったという指摘。分国法が、守護大名系の戦国大名に顕著な法令で、軍役や家臣団内部での私戦の抑止などを目的にしていた。あるいは、分国の経済センターとしての城下町など。
 「分国の静謐」という概念が、後に「天下静謐」として、信長や秀吉の全国支配の大義に応用されたという指摘も興味深い。
 前半の、「大名と小名」、「大名の国家」、「分国とは何か」、印章や称号の話も興味深い。


 第3章は、戦国大名の分国を超えた全国単位の権威のあり様について。
 「外聞」と「面目」が、行動原理として重要だったこと。また、戦国大名は、分国内は、「事故の力量」で権威を独占する一方、全国レベルや大名間では、全国規模の権威である将軍や朝廷をそれなりに重視し、官職や位階、服装や称号などを、それなりの金銭と引き替えに入手、他の大名と競っていた。
 後半の、信長の天下観の変遷もおもしろい。最初は畿内の将軍の権威=公儀の再建が目的だった。しかし、将軍義昭の迷走を見て、「外聞」の一言で、天下と公儀を粉砕。将軍を追放。その後、「天下静謐」の用語とともに、視野が全国規模に移っていく。天正五年に日本の統一構想に動き出したと指摘する。そして、そのような概念の変化とともに、主君の武威を高揚させる「武辺」という語が強調されるようになる。


 第4章は、文化やイデオロギー。天道と「正直」。文芸と茶の湯の重要性など。


 以下、メモ:

 要するに、今川家が認可しないかぎり、分国内に「不入」(不干渉の地および不介入の権益)はありえない。たとえ、朝廷・幕府将軍家や有力寺社による保障、一門・譜代・国衆らの許認可があったとしても、今川家の判物の有無が絶対条件となる点が明記された。守護不入を完全に排除するものではないけれでも、分国の頂を自力で極めた戦国大名今川義元が、独立した地域国家の「公儀」を宣言したところが戦国大名の意気地だ。p.74

 今川氏の分国法で、「自分の力量」で国を維持しているため、自分こそが「公儀」だと宣言したという話。「主権」が実現していると。

 このように戦国大名の家中の法には、一揆の法と共通している部分がある。戦国大名の権力構造は、家中の合議制(「衆議」=寄合談合)を前提に、大名御家の家督(国主)と親族を含む宿老衆(重臣会議)との相互補完、および主人とその直属吏僚の側近奉行人衆との均衡の上に立脚していたと考えられる。このような戦国大名のいわば一揆的な構造は、一方で専制化しようとする大名の家督を規制するものだった。p.102-3

 家臣団の一揆的結合の重要性。

 戦国大名による軍役体系の創出は、いわば軍事国家の証である。だとしれば、戦国大名にとっての戦争は、国家の安全保障を大義としながら、自己の権力を維持するために遂行されたといわざるをえない。p.110

 この種のマッチポンプは、時代を問わないと。

 天下とは主に京都のことであり、さらに天皇および将軍による中央政権のことを指していた。天下国家とは、中央の天下と地方の国家のことをいう。だから「天下統一」とは中央政権の安定、「天下静謐」とは朝廷を中心とした中央政権の平穏を意味する言葉だった。
 これらを考え合わせると、やはり戦国大名には、独自の天下統一の構想はなかったものと判断せざるをえない。ましてや、日本列島の統一などといったことは、夢のまた夢だった。京都政権にしても、信長以前では、将軍や公方を奉じて、管領細川氏と連合して一時的に京都政権を創出した大内義興や六角定頼・義賢父子、また三好長慶らを除けば存在しない。したがって、全国統一政権を構想して、本拠の居城や城下町を放擲し、次々と居城を移しながら首都を目指すとか、地方に全国区の拠点を建設するといったようなことは考えもしなかっただろう。戦国大名たちは、分国の拡張範囲と家臣の強固な土着性や、政治経済センターとしての城館および城下町のキャパシティーは充分に承知していたはずである。p.142-3

 戦国大名たちは、基本的には自分の分国しか考えていなかったという話。

 宣教師たちの手紙は面白い。「武士は富よりも名誉を大切」に思っている。武士が領主に臣従するのは、「背いた時に自らの名誉を失うと考えるため」といった記述がある。戦国期の武将が名誉心に執着していたことがうかがえる。外聞へのこだわりが想像できるだろう。尼子家臣の『多胡辰敬家訓』にも、「外聞」と見える。すなわち、濁世だからこそ、「我が心にて外聞直ぐならんと嗜な共、良きほどは負かるべし」とある。意味深長だが、武家の正直なる外聞(名誉心)をもって生き通せない、そのジレンマが奇しくも吐露されているである。p.144

 あちらを立てれば、こちらが立たず。

 天正十八年(一五九〇)八月二日付け、伊達政宗が家臣の亘理元宗に宛てた書状は面白い。下野国宇都宮において、秀吉と御昵懇により天下ご愛顧の甲冑を拝領した(仙台市博物館所蔵の銀伊予札白糸威胴丸具足)。「誠々面目の至り」と述べ、家中の皆々とともに、喜ばしいことだと語っている。贈答儀礼の政治効果を推し量ることのできる例だ。このような外聞や面目が、ことさらに戦国・織豊時代の武将に共感されていた点は、名望にこだわった戦国大名の個性を探る上で重要である。p.148

 贈答儀礼の重要性。

 すでに指摘されている通り、攻守同盟の関係にあった信長と家康においては、信長の官位昇進に応じて諸札礼も変化していった。すなわち、天正元年(一五七三)までは等輩、天正五年までの間に下様=薄礼となったのである。一方の家康は、天承二年以降、信長にたいしては最厚礼の諸札礼になっていた。もはや対等の同盟ではなくなったのである。家康は、織田家中の大名として位置づけられたことを意味するのだろう。p.167-8

 諸札礼に見る、信長と家康の同盟関係の変遷。

NEW GAME!! 第11話「心になにか抱えてるのか」 - ニコニコ動画


 いよいよ、PECOの制作も大詰め。
 ツバメ虫だらけからの、ネネとの和解。さらに、コウの旅立ちとりんの動揺。マスターアップ直前のテストゲームとか。あんまり修羅場感はないな。ネネとツバメの対立も、ささっと綺麗に終わったし。まあ、この話で泥沼やられても困るわけだが。
 紅葉も、ちょっと慣れてきて、しゃべるようになったな。そして、最後のサービスとばかりに、青葉や紅葉に関わるコウ。


 やはり、熊喰い族が、目立つ。青葉の心の闇。


 今週は、ひふみん、アップはナシか。

無責任ギャラクシー☆タイラー #11「今日さえもいつか昨日」 - ニコニコ動画


 ロボット兵に追い詰められるタイラー。と、そこでボイジャーの幽霊が介入。脱出に成功する。で、ヤシオマは時空溝に飲み込まれる。で、どう決着つけるのだろうか。


 なんか、こう、見てて疲労感を覚えるのはなあ…

『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々』 - HONZ

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 「白人労働者階級」の「上」と「下」への不信か。エリートの政策を信用しない一方、自分たちで働いている誇りを言い立て、福祉に依存する下層階級を軽蔑する。そうなると、下層への低下は、精神的苦痛が大きいのだろうな。つーか、自分たちがよって立つ地盤の薄さに気づいていなかったとも言えそう。
 現状は、アメリカの経済界が製造業に対する投資に冷淡だった結果とも言えそう。何十年も投資を怠って、今から、何とかなるのかねえ。そして、このあたりの製造業の劣化に関しては、海外での生産が拡大している日本も他人事ではなさそう。十年後の日本の姿かもしれない。
 しかし、フェイクニュースに凝り固まった、このあたりの人々を何とかできるのかねえ。

巨象をあやつるSNS番長 『モディが変えるインド』 - HONZ

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 うーん、どうなんだろう。ヒンズー至上主義とか、多くの面で亀裂も作っているように見えるが。着実に、国を荒らしているんじゃなかろうか。
 自分でSNSやるような自己顕示欲の強い政治家をいまいち信用できない。

『戦場を歩いてきた カラー写真で読み解く戦場のリアル』ジャーナリストが見つめた戦地の日常 - HONZ

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 なんというか、無謀な。いきなり、ムジャヒディンの事務所に突撃とか。そういう行動力がないと、戦場ジャーナリストにはなれないと。
 戦地における「日常」の姿。常に戦闘が行われているわけではなく、そこにも、日常生活が存在する。とはいえ、インフラや制度が破壊され、子供を中心にいろいろと奪われてしまうと。
 サラエボチェチェンと同レベルのモスル。そりゃ、本当に悲惨そうだな…

『モンゴル帝国誕生 チンギス・カンの都を掘る』 - HONZ

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 チンギスの都跡とされるアウラガ遺跡の発掘成果の報告の本。
 まあ、モンゴルの王族は、宮殿もテントだったようだから、固定施設が少ないのは当然かな。一方で、鉄関係の工房が大量に存在する。金から供給される鉄を利用した軽騎兵が肝だったという歴史像を描き出すらしい。興味深い。
 西遼と金の代理戦争の場としてのモンゴル高原か。チンギスは、金についた側と。
 しかし、鉄を加工するにも、どっかから燃料を運んでくる必要があったわけだよなあ。そういうのも、金からの支援だったのだろうか。

『健康格差 不平等な世界への挑戦』 Fair society, healthy lives. - HONZ

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 イギリスやアメリカの平均寿命の格差には、どん引きだな。たった数キロで別の国。
 公衆衛生の専門家による、健康格差の問題の本。この立場だと、やはり、市場原理主義とは反対の立場になるな。いくつもの、格差がある。そのなかで、女性教育が大事と。
 受けた教育で、顕著に違うというのは興味深いが、教育が先か、その周囲の環境が先か、明瞭になりがたいものがあるな。
 やっぱり、キューバは公衆衛生では優等生と。

『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』日常風景に投影された、世界の分断 - HONZ

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 イギリスの「底辺」託児所から見た光景。かつては、下層白人が対象の託児所だったが、保守党政権による福祉予算の削減で、移民向けの英語教室に併設された託児所に。
 そこに、元「底辺託児所」で育った子がティーンになって戻ってくる。移民と下層階層の対立と反目。確かに、移民にヘイトクライムやる層がここら当たりだから、移民は反発するわな。
 そこからの、人間関係の回復。なんというか、イギリス社会の分断の深さが恐ろしい。そして、これは、イギリスだけに限らない。日本国内にも、こういう亀裂があちこちにあるのだろうなと。

明治神宮と『変形菌』 - HONZ

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 そういえば、粘菌って、実物を見たことないなあ。
 粘菌こと、「変形菌」の美麗写真多数。写真集の紹介。
 あと、ハシブトガラスを襲うオオワシがかっこいい。つーか、営巣中には、カラスに襲撃されるパターンが多いようだけど、守るものが無い時は、やはり圧倒的に強いのか。

『科学捜査ケースファイル 難事件はいかにして解決されたか』凶悪犯罪と法科学の歴史200年 - HONZ

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 「あらゆる接触には痕跡が残る」か。
 さまざまな科学捜査の手法の紹介。血痕の分析に、DNA鑑定、検死、蛆虫の生育速度からの分析などなど。いろいろとあるものだな。一方で、DNAの鑑定ミスで冤罪を引き起こしたりと、ヒューマンエラーの危険も。あるいは、科学捜査の暗黒面。
 イギリスの対審制度制度の良し悪し。


 とはいえ、だいたい、警察は安易な結論を選んで、冤罪引き起こしたりするんだよね。あるいは、科学捜査の手間を省いたり。