長谷川輝夫『聖なる王権ブルボン家』読了

聖なる王権ブルボン家 (講談社選書メチエ)

聖なる王権ブルボン家 (講談社選書メチエ)


表題から、王権の聖性あたりがテーマと思ったら、ブルボン王朝の通史だった。
ブルボン王朝歴代の王5人の生涯を追ったもの。周囲の人々や社会状況と絡めて語られている。
読み物として、面白かった。


あとがきで、

登場人物に対して過剰な感情移入をしたのではないか、と不安がなくもない。… 本書の随所に主観的過ぎる記述があるかも知れない。そのような箇所に出会ったら、どうか割り引いて読んで欲しい。

とあるが、本書は、そのような感情移入がなされたからこそ、精彩ある物語になりえたと思う。