「和紙」 第1話 『生きた紙が滅びるとき』

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 「出来上がったものを見て『いい仕事ですね』なんて言われても、何言ってるんだって話ですよ。僕らの仕事は10年後、100年後なんだよね。千住さんと聚光院でやったときは、500年以上持たせようって話してたんだよ。昔から、襖絵は8枚も10枚も下貼りをしている。画家に描いてもらった絵を保護するためですよ。湿度が高い夏は、紙が水分を吸ってくれる。冬になって乾燥すると、逆に吐き出す。だから、100年でも200年でも持つんでね。それをやるには手漉きの和紙じゃなければダメ。下貼りだから、見えないからといって紙質を落とすなんてことは一切できないんでね」

かっこよすぎる。たしかに、和紙と米や麦を使った糊の組み合わせは、何百年も保存できると実証されているわけだし。化学物質なんて、速攻で変質していくしな。


しかし、和紙を使う文化がなくなっていっているのは確かだよなあ。新しい住宅からは、障子どころではなく、和室もなくなりつつあるし。