東京都青少年健全育成条例改訂問題と表現規制についての情報リンク集(その2)

 しょの2。ポルノ表現をめぐる各論について。今回は、表現の自由表現規制の歴史、東京都の不健全図書指定について。

表現の自由とはなにか

 そもそも、表現の自由の問題は奥が深い問題だから、きちんと法学をはじめとする、各種の本をよむべきだが、ここではそもそもの「表現の自由」とはなにかというところを論じているサイトを。
むずかちーです(>_<)

法学的な方面から論じているようだ(理解できていない)。

「価値」といった側面から。ツイッターでは、断片的でなんかわかりづらいけど。

図書館と「表現の自由」の問題。ここでの事例は、極右の人間が歴史修正主義ホロコースト否定論の展示を、カリフォルニア図書館協会(CLA)に要請し、それをCLAは受け入れ。それに対して、ロス市やユダヤ人団体の圧力で、中止に追い込まれたという事例。「表現の自由」をめぐる「純粋解釈派」と「社会責任派」の問題。ポルノ問題に関しては、日本では「社会責任派」が主流といっていいのかな。今回の条例改訂には、青少年保護を隠れ蓑に、宗教的、伝統的保守主義や治安機関の利権確保みたいなのが推進されているように見えるが。

未読。

表現規制の歴史

  1. 「非実在青少年」規制問題に関する余談
  2. 青少年健全育成に関して、いろいろ考えるための資料
  3. 日本でのマンガ表現規制略史
  4. 1955年の漫画バッシング(悪書追放運動)について
  5. 1955年『鉄腕アトム』は小学校の校庭で見せしめ的に焚書された/橋本健午『有害図書と青少年問題』
  6. 1990年代の有害コミック運動はそれからどうなったのか - Timesteps
  7. 「有害コミック」撲滅運動の歴史と背景/田辺市/痛みを想像するとい
  8. 松文館裁判
  9. エロ同人誌の修正について
  10. 心 -こころ- 橋本健午のページ 出版倫理・青少年問題


  1. アダルトメディアのモザイクの歴史的経緯 特に起源に焦点をあてて
  2. なぜ今ほぼ無修正に近いエロ漫画が存在可能なのか(現在の不健全図書指定はどうなっているのか)



 表現規制、特にエロ表現の規制の歴史を扱った記事。
 だいたい時代順に並べてある。19世紀イギリスのヌード論争、明治の小説批判、戦後の規制の年表、1950年代の悪書追放運動、1990年代の有害コミック運動、21世紀にはいってからの松文館裁判とエロ同人誌の問題。最後に、『有害図書と青少年問題:大人のオモチャだった"青少年"』などの著書がある橋本健午氏のサイト。充実している。同ページ内の橋本健午「コミック本問題と青少年―"現状認識"にズレはないか―」 は戦後の規制の略史。
 下段は、モザイクについての話。危ういバランス。


橋本氏の著作:
有害図書と青少年問題:大人のオモチャだった"青少年"』

有害図書と青少年問題

有害図書と青少年問題

『発禁・わいせつ・知る権利と規制の変遷―出版年表』

東京都の不健全図書指定の実際

  1. 現行の東京都の不健全図書指定について まとめ・メモ
  2. 東京都の不健全指定図書について
  3. 日本書籍出版協会と日本雑誌協会に物申す
  4. 松文館の「ガールズポップコレクション」が狙い撃ち。
  5. 東京都が認めたエロマンガ
  6. 東京都に不健全と太鼓判を押されたガールズポップコレクション
  7. 「年通算5回の不健全図書指定」ってどこで数えてるんだろうという件
  8. 『会見・講演録 宮台真司(社会学者)、鶴見済(「完全自殺マニュアル」著者)』
  9. 不健全指定図書の買い方
  10. 不健全・有害指定図書の購入手段について
  11. 議事録から見る不健全図書の指定について
  12. 東京都青少年健全育成審議会



 東京都の不健全図書の指定について、いろいろと言及したサイト。
 上の二つは、不健全図書の指定についての解説。1が詳細。3は取次ぎの「帯紙処置」による制裁システムについての解説。このあたりで、全般的な状況は概観できる。
 4-8は具体的な指定の状況。松文館は集中攻撃をうけているなあ。8は、『完全自殺マニュアル』が、自治体の有害指定の集中攻撃で圧殺された次第について。
 9と10は、不健全指定図書が実際に買えるかどうか調べたもの。やはり、販路は狭くなるな。売る方にとっては、それだけ打撃だし、買う方も、「それが欲しい」というものでない限り、わざわざ手間はかけないだろう。
 11は、東京都青少年健全育成審議会が単なる追認機関になっていることを皮肉ったエントリ。確かに、審議会の審議は形骸化していて、その前の諮問にかける段階の透明性向上が必要ではあると思う。ただ、議事録の切り取り方は、ちょっと恣意的なのではと思う
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/587/gijiroku(587).pdf
 最後に、東京都青少年健全育成審議会の公開資料。