熊粋祭へ出撃

 今週末は熊本市内の諸大学の学園祭が集中している。例年通り、熊大の図書館の貴重資料展と講演会に出撃。今年は幽斎没後400年ということで「若き日の細川幽斎永青文庫蔵・織田信長文書を中心に」というテーマ。信長発給文書18点を中心に、幽斎が所持していた文学・有職故実関連の図書などを展示。講演は「永青文庫所蔵の信長文書の魅力」というテーマで、稲葉継陽先生が話した。
 トピック単位で興味深かった点を挙げていく。

  1. 永青文庫の信長発給文書は59点。うち藤孝(幽斎)宛は45通。他に幽斎も含む複数名義が6通。ほかは細川忠興明智光秀羽柴秀吉滝川一益宛が含まれている。
  2. 室町幕府の没落、村共同体を基盤にした一向一揆との戦いの正面に立ち続けたその経験が、藤孝が文学・武家故実・諸芸などを身につけさせる要因であり、伝統的な技芸を次代に引き継ぐという意識が原動力だった。
  3. 畿内地域全域に指揮権をもつ明智光秀の突出した権限。永青文庫の文書からも、細川家の丹後支配が光秀の監督下にあったことを明らかにする。
  4. 別人に宛てた文書が存在するが、これは信長の意思を伝えるために回覧された事を示すとのこと。文書の印判が大事だったのではないかとのこと。

 このあたりが興味深かった。
 この後、工学部研究資料館の公開を見に行く。滑り込みで10分ほど機械を見学することができた。4時までの公開で、本当にぎりぎりだった。出るのが遅くなったから、このあたりに無理が出てくる。
 その後、図書館に舞い戻って、今度は展示の見学。やっぱり、本物の文書には歯が立たない>_< 人が多かったので、適当なところで切り上げる。