熊本県立美術館細川コレクション展示室「細川家の茶道具と大観、春草」

 細川家と松井家に伝来した茶道具、細川護立がコレクションした近代日本画から横山大観の作品が三点、NHK大河にあわせての明智光秀関連の史料が二点展示。


 横山大観の作品では、「山窓無月」が良かったかな。隠者が、夜に書を読む。月もなく、灯りは彼自身がともす火だけ。光の具合が良い。他に、「雲去来」、「焚火」が展示。後期には、菱田春草の作品が展示されるようだ。
 これは、16代、明治時代に入ってからの当主である護立が、無名時代から支援して集めた物だそうで。他の人が目を付けないものに目を向けるというコレクター方針があったらしい。


 茶道具は、永青文庫に継承される天目茶碗が6点、松井文庫からは朝鮮製の茶碗が3点など。松井文庫の「細川忠興茶会道具附」が興味深い。中上層の旗本や比較的関係が深い大名との交際の手段として、茶会は利用された。
 あと、細川重賢が作らせた茶道具の絵入りリスト「茶入茶碗写真帳」が興味深い。当時、細川家が持っていた茶入れや茶碗を細かく図解した物。伝来品が載せられている一方で、今では永青文庫にない物も。どうなったんだろう。売却、戦災や自然災害での喪失、使用中に壊した、捨てたなど、いろいろな契機があると思うが。


 あとは、米田家に伝来した米田貞能による「針薬方」という医術書、「明智十兵衛」から聞き取った内容を書いたとあるが、確かに、この奥書だと、医術に堪能であったということになるな。あと、ここでも、朝倉氏との縁が見えるのが興味深い。
 あと、光秀の書状、「細川藤孝・飯川信堅・曽我助乗」宛ということは、この三人が将軍への書状を取り次ぐ側近だったわけか。