瀬をはやみ岩にせかるる滝川の―「図書館と歴史学の間」小考 - みちくさのみち

negadaikon.hatenablog.com
 図書館と歴史学。利用と保存の相克というか。
 館によるけど、本当に「保存」方面はお留守だよなあと思うことがある。そういう意味では、アーカイブにも違和感を感じるところがあるなあ。アーカイブ学では整理して、捨てる、「保存すべきもの」と「不要なもの」を分ける考え方が普通に語られるけど、歴史学の方からすると必要ないと捨てられた文書から貴重な情報が得られ、歴史観を豊かにする事例によく接するわけだから。

図書館と歴史家の反目は、結局歴史的にものを調べたり考えたりする世界を「職人的な領域」にし過ぎ、その成果を一般に、しかも歴史家にとって好ましい形で、流布させることに失敗したのではないか。もっというと、歴史意識の貧困さを助長したのではないか。

 あー
 まあ、かつてのマルクス主義みたいな明確な方向性を示す役割はないけど、人間が何をしでかしてきたかをほじくり返す仕事は重要だと思う今日この頃。
 逆に、70-80年代に断絶があるからこそ、今は失われたものを掘り返すのがおもしろいとは思うが。