書評関係メモ

[本]『人類五〇万年の闘い マラリア全史』 100万人の命を奪う殺し屋 - HONZ

 実際、マラリアは一番やっかいな疫病の一つだよな。蔓延しまくって、制圧も難しい。つーか、蚊がやっかいすぎるというか。実際、遺伝的形質まで変化させているしな。
 あと、「援助する側」の問題点を指摘しているようだ。マラリアの研究の流れと、その中での競争や足の引っ張り合いなども。

[本]『コカイン ゼロゼロゼロ』あまりにも凄惨な現実 - HONZ

 コカインの流通ルートを支配するメキシコの麻薬組織の話。エル・パドリーノの組織が、彼が逮捕された後、分割統治されたセクションごとに抗争を起こす。さらに、元特殊部隊出身者が組織したカルテル、ロス・セタスが出現。恐怖政治を敷く。で、その組織への人員の供給源が、グアテマラの特殊部隊カイビルをリストラされた連中であること。
 結局、アメリカが中南米で煽った政治的対立が、自分のほうに返ってきているってことだよなあ。
 「闇のグローバル経済」か。
関連:メキシコ麻薬戦争 - 眠る牛 浮かぶ睡蓮

[本]エイズ治療研究の最前線−−『完治』への道 - HONZ

 なかなか死ななくなったが、脂肪代謝異常で顔や手足の脂肪が落ちる一方、腹に集中的に脂肪がついて、特有の外見になる。あるいは、老化が早く進むとか、高額な薬を飲み続ける必要があるとかの問題があると。
 で、完治を目指す研究が進められているが、その手がかりが「ベルリン患者」だという。HIVがメモリーT細胞に入り込めない遺伝形質を持った人の骨髄を移植して、エイズを完治した事例があるそうで。その患者を扱った本の紹介。

[本]岡昭利『アホウドリを追った日本人』(岩波新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

 メモ。長谷川亮一『地図から消えた島々』と内容がかぶる感じがするな。
 太平洋の島嶼に、アホウドリの羽根や肥料となるグアノを求めて進出する日本人。島嶼をめぐる日本とアメリカの摩擦。玉置半衛門とか、登場人物もかぶる。

[本]「中世武士の城 (歴史文化ライブラリー)」齋藤 慎一 著 | Kousyoublog

 中世東国の防御施設を類型化しようとしている本のようだ。
 15世紀半ばまでは、「城郭」は戦時に臨時に設けられ、戦争が終わると破却されていたとか、戦国時代に恒久的な要害建築が設置されるようになるとか。
 城と寺社の関わりも重要と。

[本]歴史家が想像する民族史,歴史家が創造する地域史――バアール・モニカ『歴史家とナショナリズム』 - Danas je lep dan.

 東欧で19世紀に活躍した歴史家の叙述に含まれるナショナリズム要素を分析した本らしい。まあ、そうやって概念が現実を構築していくことはよくあるんだろうな。
 帝国の支配民族の評価軸を取り込みつつ、自らの民族の独自性を主張するか。

[本]可能なかぎり公正に描き出した「朝鮮の戦時動員」の実相。 - 草思社のblog 『検証 日本統治下朝鮮の戦時動員 1937-1945』

 メモ。最近、この手の論争の的となっている問題で「公正」とつくと、逆に信用できない気分なのだがw
 朝鮮総督府は動員に気乗りしなかったのか。

[本]鈴木正朝・高木浩光・山本一郎『ニッポンの個人情報 −「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべての方へ』: Cyberlaw

 個人情報保護法は行政規範であって、プライバシー侵害の問題は民法の解釈運用によって対処されるべきか。よく知らないけど、そうなのか。もっと広く使える法律だと思っていた。

[本][書評] トンデモ地方議員の問題(相川俊英): 極東ブログ

 メモ。機会があったら読む。
 つーか、地方議会が地域社会において果たしてきた役目を歴史的に追ってきた本が欲しくなるな。

[本]ジル・ケペル『中東戦記』を、市場からなくなる前にどうぞ - 中東・イスラーム学の風姿花伝

 メモ。
 翻訳の過程で、原著にいろいろと付加価値を付け加えまくったらしい。「フィールド記録文学」か。

[本]となりのイスラム 内藤正典先生インタビュー|今月の特集1|みんなのミシマガジン

 イスラムにおける社会合意の形成の話。コーヒーが認められるまでに何世紀もかかっているとか。個々の法学者が、ある意味好き勝手言う、分散的なシステムが、現在となっては壁になっている感があるなあ。しかし、現状、法学者が解釈権を独占している状況が不健全なんじゃなかろうかとも。西欧の宗教改革が、聖書を直接読み解釈する営みから始まっていることを考えると。
 あとは、ヨーロッパ社会とムスリム移民の関係とか。

[本]【画像】これほどいらない新書の帯も珍しいと話題に : ガハろぐNewsヽ(・ω・)/ズコー

 うわーw
 帯一つで、信用できないクソ自己啓発本に転落しているな。内容の信頼性も一緒に葬るとはさすがだ。あるいは、正当な評価なのか。

[本]コミックハイ!次号で休刊、10年の歴史に幕。連載作の今後も発表 - コミックナタリー

 ありゃりゃ。
 創刊してすぐの頃は買っていたな。「あいたま」は他の雑誌に移籍して継続のようだけど。

[本]角川書店や富士見書房、消滅の裏で…内部事情が垣間見えるKADOKAWAの組織再編|おたぽる

 まあ、多様性がなくなって、急速に縮む可能性はあるわな…
 旧メディアワークス勢と旧エンターブレイン勢は吸収を拒んだから、ブランドが残ったか。まあ、それだけの実績もあるしな。ラノベに関していえば、継続的な育成が弱かったスニーカーやファンタジアは、うまくいけば強くなるかもしれないけど。
 なんか、いつまでもずるずると「組織改革」を続けているな。