谷甲州『航空宇宙軍史:エリヌス:戒厳令』

 これまた、救いようのない話だな。
 航空宇宙軍の極悪ぶり。敵を求めて、何でもかんでも犠牲にする。
 外惑星動乱後地下に潜った外惑星連合軍(SPA)は、航空宇宙軍の弾圧の前にジリ貧に陥っていた。起死回生の手段として、天王星の衛星エリヌスを制圧、独立政権を作り、聖域を形成することを目論んだ。しかし、この計画そのものが、航空宇宙軍の罠で…
 結局、名ありの登場人物で生き残ったのって、フリゲート艦アリエスの幹部と安井一曹くらいのものか。
 400ページ以上の間、虚虚実実の駆け引きがすごい。