たかみち『百万畳ラビリンス 下』

百万畳ラビリンス 下巻 (ヤングキングコミックス)

百万畳ラビリンス 下巻 (ヤングキングコミックス)

 なんか、礼香ちゃんの方が、密漁者たちよりよっぽど異星人っぽいのだが…
 異星人の間では保護惑星になっている地球。そこから、地球人を「密漁」しようとしている密漁者。それに対し、密漁者を一網打尽にしようとしている勢力。それに協力するゲームデザイナーの多神。その思惑を全部ぶっ飛ばして、密漁者の宇宙船の支配者になる礼香。
 既成概念に囚われず、さまざまな選択肢を取れる礼香の「異能」ね。で、そういうシステムの穴を突いていくのを楽しむことができる。それがほかの人間と違う。密漁者のたくらみをひっくり返す切り札。まあ、実際には、普通の人間も、あそこまで異常な環境に送り込まれたら、日常を繰り返すのは無理だと思うが。出来る事もなさそうではあるよなあ。
 最終的には、密漁者たちのシステムを掌握し、それによって箱庭を作り、そこで全力で遊びたおす。人間社会と決別してしまう礼香と。なかなか、ゴリッとしたお話になったな。こういうの大好きです。
 あと、ショートパンツ素足の女子大生が、縦横に活躍するという点でも、良いです。