あま市七宝焼アートヴィレッジ編『七宝資料集6:遠安工業補習学校資料』2013

 明治27年から38年ごろにかけて存在した、小学校の学習内容の補習と七宝関係の技術習得を目的とする「遠安工業補習学校」に関連する資料を集めた資料集。
 旧宝村の役場文書に残る関係文書と、林小傳治家に残った日誌から成る。国への補助申請や、予算など。末期には、いろいろと補助金の支給に注文がついていたり、運営が厳しくなっていたことがうかがわれる。
 日誌は、抄録だが、お祭などイベントがある日には、出席者が減るなどの日常風景としての学校が見えておもしろい。38年を持って閉校になったようだが、校長が病気になったのが、最後のトドメだったのかね。


 明治36年の予算表の歳入のほうに「不浄料」という項目があるのがおもしろいな。トイレから、屎尿を汲み取って、肥料に使っていた。この時期でも、屎尿が売却されていたことが分かる。しかし、七宝焼って化学物質を使うし、そのあたりの汚染は大丈夫だったのだろうか。