2016-02-26から1日間の記事一覧

あま市七宝焼アートヴィレッジ編『七宝資料集6:遠安工業補習学校資料』2013

明治27年から38年ごろにかけて存在した、小学校の学習内容の補習と七宝関係の技術習得を目的とする「遠安工業補習学校」に関連する資料を集めた資料集。 旧宝村の役場文書に残る関係文書と、林小傳治家に残った日誌から成る。国への補助申請や、予算など。末…

あま市七宝焼アートヴィレッジ編『尾張七宝むかし・いま』2014

明治・昭和戦後、現在と、あま市域の七宝生産がどのように変遷してきたかを追った企画展図録。 明治、戦後、現在の、それぞれの作業風景の写真を比較しているのが興味深い。明治時代には、縁側に道具を持ち出して作業できる状況だった。背景がみな同じ。それ…

七宝町七宝焼アートヴィレッジ編『企画展:七宝職人が編み出した技』2006

七宝の様々な技法を紹介する企画展。基本的な技術から、超絶技巧まで。 最初の陶器の釉薬を応用した泥七宝から始まって、基本的な技術である植線。植物の根を使った接着剤が、今でも使用されているというのがおもしろい。 さらに、釉薬の改良に伴う透明釉七…

七宝町七宝焼アートヴィレッジ編『企画展:尾張七宝のひみつ:付収蔵品図録』2007

なぜなに七宝+収蔵品図録。 植線見本がすごい。あと、図録は、まさに技術の頂点を極めた時期の作品が並ぶ。黒地に花鳥図の作品がメイン。そのなかで、無線七宝の水色地白鷺図花瓶のふわっとした線も印象的。

七宝町七宝焼アートヴィレッジ編『企画展:林小傳治:尾張七宝のさきがけとなった名工』2005

遠島地区の七宝生産の草分け的な存在であり、中核的な製造業者として4代続いた林小傳治家。その初代の業績を回顧する企画展の図録。 名工として、多くの博覧会で受賞しているだけではなくて、最初に横浜に七宝を売りに行ったとか、七宝組合の設立の発起人に…

あま市七宝焼アートヴィレッジ編『企画展:里帰りした尾張七宝の名品:村田コレクション』2012

明治時代に海外に輸出した工芸品を収集し、清水三年坂美術館を解説した村田理如氏のコレクションから、尾張七宝を集めた企画展図録。 様々な技法の作品が網羅されていて、非常に興味深い。茶金石や銀張り、鎚起、盛り上げ七宝など。そして、変わった形の皿。…

七宝町七宝焼アートヴィレッジ編『企画展:赤透:尾張七宝の赤い宝石』2006

海外でピジョン・ブラッドと呼ばれ珍重された、赤色透明釉薬を使った七宝焼の紹介。金を発色剤とするようだ。鎚起で素地に彫刻を施して、それに赤色透明釉をかけただけで、十分美しい作品になるな。 最初に開発した太田甚之栄の紹介や、製造工程、作品、海外…

あま市七宝焼アートヴィレッジ編『企画展:たくみの系譜:尾張七宝の真髄』2015

尾張七宝の主要な七宝家の作品を、整理したもの。 草分けに当たる林庄五郎や塚本貝助に関しては、確実に作品だと分かっている作品が少ないのだな。それ以降、有力な窯元に関しては、銘が入った作例が存在すると。 林庄五郎、塚本貝助、林小傳治、安藤重兵衛…

あま市七宝焼アートヴィレッジ編『開館10周年企画展:東のナミカワ西のナミカワ:明治七宝の二大巨匠』2014

明治時代、帝室技芸員に選出された名工、東京の濤川惣助と京都の並河靖之にフォーカスした企画展の図録。京都の並河靖之が細かい植線と黒色透明釉薬を特徴とするのに対し、東京の濤川惣助が区画を区切る金属線を外した「無線七宝」を特色とすると、作風も対…

七宝町七宝焼アートヴィレッジ編『企画展:並河靖之の技』

明治時代、京都に工房を構え、質の高い作品を制作。七宝焼き関係では、二人しか選ばれなかった「帝室技芸員」の一人であった名工の作品を展示した企画展の図録。 巻末の目録を見ると、並河靖之七宝記念館と清水三年坂美術館の所蔵品が展示されたようだ。 や…

七宝町七宝焼アートヴィレッジ編『特別展:大きいのってスゴイ! 小さいからスゴイ!!』2009

2009年の特別展の図録。 七宝は、大きくなると、製作難易度が上がるらしい。七尺(210センチ)の花瓶などが、かつては作られたそうだが、その場合、部分ごとに焼成し、その後継ぎ合わせる必要があるらしい。そこまで行かなくても、大型の器は専用の窯を準備…

あま市七宝焼アートヴィレッジ編『七宝資料集7:塚本貝助家文書』2013

尾張七宝の草分けの一人で、後に東京のアーレンス商会に雇われ、釉薬の改良などを行なった塚本貝助の子孫が所持していた資料。メインは、塚本貝助の孫が作っていた釉薬調合法の手帖。こういうの、化学物質に慣れた人ならおもしろいかもしれないが、さっぱり…

あま市七宝焼アートヴィレッジ編『七宝資料集5:博覧会資料』

地元の旧窯元に残る海外の博覧会出品関係の資料類。メダルや賞状の現物に、役場に残った出品願いなど。最後は、林小傳治家に残る、賞状類を一冊に書き写した資料など。出品目録も興味深い。やはり、海外の万博に出品するだけに、普通に売っている品より高額…

あま市七宝焼アートヴィレッジ編『七宝資料集4:七宝工下絵集:粂野忠三郎家・伊藤常三郎家』2011

元窯元二家に残る下絵を収録された資料集。 下絵は、日本画の心得がある人に外注されていたようだ。七宝焼きも、多数の分業からなっていると。

七宝町七宝焼アートヴィレッジ編『七宝資料集3:七宝窯元 伊藤常三郎家資料』2010

幕末から大正にかけて、地域でも有力な窯元であった伊藤常三郎家の史料。明治44年から大正5年にかけての帳簿類がメインで、ほかにパリ万博の売上のうちの未払い金を窯元ごとにまとめたものや愛知七宝商工同業組合の名簿など。どれも、この地域の七宝焼きの歴…

瀬尾つかさ『銀閃の戦乙女と封門の姫 1-6』

瀬尾つかさ作品再読、二つ目。暇にあかせてというか。 一度、クァント=タンから放逐されたカイト。突然呼び戻しに来た、かつての同僚によって、帰国。そこから、激動に巻き込まれる。 やはり、ラストの、カイトの行動から、「義によって」多くの人々が参戦…

灰色文献大行進中。 今回は、七宝焼図録マラソン。これで、だいぶ、読むだけ読んで、読書ノートをつけてない本が減った。