あま市七宝焼アートヴィレッジ編『七宝資料集7:塚本貝助家文書』2013

 尾張七宝の草分けの一人で、後に東京のアーレンス商会に雇われ、釉薬の改良などを行なった塚本貝助の子孫が所持していた資料。メインは、塚本貝助の孫が作っていた釉薬調合法の手帖。こういうの、化学物質に慣れた人ならおもしろいかもしれないが、さっぱり分からないな。
 孫にあたる人の思い出を書き写した資料というのが興味深い。京都などで、大きな足跡を残したゴッドフリート・ワグネルが、七宝の釉薬の改良に大きな役割を果たしたとされる。しかし、この時は、秘密主義で情報を明らかにせず、日本人七宝家は、盗み見など苦労したとか。あとは、濤川惣助の工房の協力者として、いろいろな作品を身近に見たとか。