横塚司『ぼくは異世界で付与魔法と召喚魔法を天秤にかける 9』

 完結編。
 割とサクッと地球を見捨てたな。主人公チームが異世界を選ぶのは予測できたけど、他の連中は選ぶ機会すら与えられなかったのか。あと、サクサクと登場人物を殺していくなあ。志木家の家族とか、時間を使った割にはあっさりと、
 転移した学園の地下に打ち込まれた「楔」をめぐって、モンスター側の「四天王」の最後の一人ディアスネグスと離反したアルガーラフが衝突。人類側は、アルガーラフに援軍を出すことを決意。再び学園に向かう。
 「楔」の争奪戦の最中、「楔」の制御に失敗し、一行は、地球に飛ばされる。そこで主人公和久は、娘カヤとであう。彼女は、「魔王」を倒す最終兵器でもあった。「魔王」が「世界を食う」べく活動していて。さらに、一緒に転移したディアスネグスとも戦うことになる。


 最終的に、「魔王」が規格外の存在すぎて、戦いに盛り上がりがないのが問題かなあ。むしろ、ディアスネグスとの対戦がクライマックス感がある。少々、盛り上がりに欠けた感が。
 あと、「世界を渡るもの」とか、地球で活動している退魔組織あたりの説明が少なすぎた感も。いやまあ、それを言うなら、主人公視点で、いろいろと分からないことだらけで、話が進行してきたわけだけど。


 しかし、16くらいの歳で、10歳の娘か。ミアが時間を超越した存在になったとはいえ、一足飛びにでかい娘ができたこと。