翅田大介『桜色のレプリカ 1』

 Togetterの販促まとめをみて、気になったので。こういう販促って、結構有効なんだな。まあ、基本的にはジャケ買いだったのだが、内容もなかなかおもしろい。


 書き割りのような「学園」教師の日常。17歳にして、教師、かつ人間論ってなんだと不思議に思うところから始まって、突然の異形の存在との戦闘。「生徒」たちが、その戦いを担う「レプリノイド」という人造の人型兵器であることが明らかになる。エプリオンとよばれる、他の星からきた感染性タンパク質によって、あらゆる生物が変質させられつつある世界。人類と生き残った炭素生命体は、ドームと呼ばれる閉鎖都市で、辛うじて生き残っていた。強力なレプリノイドが人間の味方であることを人類が納得するための茶番。
 主人公の六方カザネは、レプリノイドに人格を転写した「人間」の捜索を学園長から依頼される。彼のクラスに潜伏しているらしくて。「人間」を探すうちに、自分のアイデンティティの揺らぎを感じるカザネ。
 で、そこからのどんでん返しが凶悪。


 だいたいのところ、「人間」が誰かについては、最初からわかっているような感じだったけど。そこから、そうくるか。


 とりあえず、テンプレな行動を繰り返してくるヒロイン陣がいいなあ。「淫乱ピンク」こと三十刈アイラとか、お約束を繰り返す四十田ユキがいい。あと、カザネの恋人のメグミが、二面性があってかわいい。


 …これ、人類、滅びてね?
 で、残ったレプリノイドが人間ごっこをやっている。レプリノイドに人格を転写した人間が、まさに「最後の人間」。だからこそ、探し出す必要があったとか。二冊同時刊行を、お試しで一冊だけ買ってみたが、失敗した。先が気になる。