千葉サドル『がっこうぐらし!:おたより』

 後日譚。ゾンビ化病の治療法が見つかって、人類再興が始まった世界。学園生活部の面々も、それぞれの進路を歩み始める。美紀が旅人化して、世界の真理を探すわけか。
 「彼ら」に噛まれても治療が可能。かつ、薬品をかけて溶かしてしまうことができるようになって、人類の支配権は再拡大中、と。


 りーさんは、なんか行政組織に所属。まあ、大量に人口が消えたら、ベビーブームは起きるかなあ。そして、りーさんも先輩にちょっとずつ惹かれる。


 胡桃は、結局、車椅子生活の中、大学病院で医者になるべく勉強中。しかし、常に自分が足手まといでないかと悩み続ける、か。ショタに告白を受けるw


 第三話は美紀自身の話。あの日、圭と聞いた音楽がどうしても思い出せないと悩む。つーか、みんな幻覚を見るんだな。結局、胡桃だけが見ていないような。忘れた音楽と再開して、泣く、と。


 4話、5話、6話は大学生組。自堕落同好会は、数字などの教育効果を狙ったTRPGの開発に。リセは椎子が残したデータの分析に。それぞれやることを見つけて。というか、ヒカちゃん、かわいい。
 武闘派で快楽殺人狂だったアヤカを思い出すアキ。しかしまあ、アヤカは手遅れだったと思うけど…


 最終話は由紀のお話。こういっちゃなんだけど、ちんちくりんだった娘がずいぶんと大人びたものだ。メグねえの後を追って教師を目指す由紀。しかし、まだまだ未熟で。
 天国の母親に手紙届くと聞かれたら、そりゃ絶句するしかないよなあ。郵便屋さんの答えがいいなあ。


 第7話のうそっこあらすじが楽しい。ループものかよw
 徹夜のテンションやばいなw

 この表情好きw


 しかしまあ、あれだけ一気に人間が消えると、文明の復興は厳しそうだよなあ。あちこちで技術の失伝や生産設備の滅失が起きそうだし。
 アラン・ワイズマン『人類が消えた世界』を読むと、都市の地下は、ポンプで排水していないとあっという間に水に沈む。放射性物質や化学物質が、管理されずにダダ漏れして、人を蝕む。なかなか厳しいことになりそう。必死で守ろうとするだろうけど、全部が全部は守れないだろうし。人の管理が失われ、外部電源もなくなれば、数日で破局を迎える。