渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で 4』

空ノ鐘の響く惑星で〈4〉 (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で〈4〉 (電撃文庫)

 いよいよ、国の行く末を決める内乱が、本格的に展開。
 兵力劣り、時間も限られるフェリオの側が攻勢、レージク側が守勢という展開。精鋭の王宮騎士団を擁するフェリオ側が一気呵成に攻めるが、伏兵によって、後方の文官集団を攻撃。辛くも退けるが、火計によって糧食を焼かれてしまう。翌日、窮地に陥ったフェリオ側は、優位に立ったレージク軍の心理的陥穽をついて、城の裏口から、侵入。一気に、レージク側幹部を拘束し、内乱を終結させる。
 しかし、それは新たなる戦乱の始まりに過ぎなかった。レージク経由で、アルセイフ王国を壟断する目論見が崩れたタートムは、次は軍を発して侵攻してくる。それを支援するために、ウィータ神殿は、フォルナム神殿を制圧。新たな段階へ。


 今回、ウルクの見せ場は少なかったな。フォルナム神殿に戻って、カシナートの目論見を探るという動きからは当然ではあるが。一方、リセリナは大活躍。「腕輪」の力で、一気に物をぶっ壊しまくったり、増強された身体能力で侵入作戦を決行したり。一気に、関係が深まる感じ。
 イリスたちと別れたエンジュが、フェリオ軍に加入。フェリオやリセリナと知り合いになったり。義妹を失って自滅モードのクラウス・サンクレットが、リセリナに助けられた義妹ニナに再会したり。