七条剛『レーゼンシア帝国繁栄紀2:人形姫に微笑を』

レーゼンシア帝国繁栄紀2~人形姫に微笑みを~ (GA文庫)

レーゼンシア帝国繁栄紀2~人形姫に微笑みを~ (GA文庫)

 2巻は、イーシア王国から送られてきた婚約者ファムに焦点をあてた話。占星術師に「凶星」のめぐりで生まれたとされ、閉じ込められ、何か凶事があるたびに生活を制限されてきた。そのため、自分が、何が欲しいかすらわからなくなっていた少女。彼女も、シュウとの付き合いのなかで、彼に対する好意に目覚めてくる、と。常識がないだけに、好意を示す行動が直裁ですな。


 黒幕たるユーリスは、実際のところ、何を企んでいるのだろうか。先帝たる父親も、出てこないし、何らかの対立関係が示唆されているけど。あと、「老師」が何ものなのだろうか、とか。これ、続き、出るんだよね…


 シュウの、仕事を選ばずバイトしまくった結果、都市運営を熟知してしまったというのも、おもしろいな。


 グイグイと引き込んでいくようなパワーには欠けるが、雰囲気は悪くない作品。