西和夫『図解 古建築入門:日本建築はどう造られているか』

図解 古建築入門―日本建築はどう造られているか

図解 古建築入門―日本建築はどう造られているか

 法隆寺のいくつかの建築物の建設過程の透視図から、日本の建築物の基本的な造り方を図解する。伝統的な建造物の基本を身につけるには、適当な本。


 法隆寺食堂から、平屋で天井のない建物。法隆寺経蔵から、二階建てで天井のない建物。法隆寺西院講堂から天井と野小屋がある建物の構造や組み立ての順番などを図解する。
 基本的には、柱を頭貫と地覆で固定。その上に、梁をかけて、屋根の基本となる桁と垂木をかける。瓦座とか、細かいところで、よく分からないところがあるけど。
 二階建ての建物でも、柱は貫通しないのか。二階に平面を作って、その上に、改めて柱を立てる。あるいは、天井がある場合、屋根の構造は、仕上げが荒くなるとか。
 骨組みだけなら、本書だけで、模型が作れそうだな。斗とか、肘木などのパーツの量産が課題になるだろうけど。


 第2章は、基壇から建具まで、建物の細部のバリエーションを紹介する。基本的構造の上に、多様な装飾やパターンが存在する。
 第3章は、様々な建築物ということで、中世の仏堂建築から、城や民家などを図面つきで紹介する。