あざの耕平『ダーティキャッツ・イン・ザ・シティ』

 うーむ、結局、体調不良で出かけ損ねる。イベントもあちこちであったのだが。ついでに、午前中、微妙に天気が悪かったしな。


 今日の読書感想文はこれ。

 『ブラックブラッドブラザーズ』以来の吸血鬼もの。なんというか、シリーズの序章感があるなあ。大騒ぎした割に、なんも解決していないような。いや、ここで終わってもいいようにはできているけど。


 隠居を決め込んでいる吸血鬼、「番犬」こと十二。結界で守られた塒で眠りを貪っていた彼のもとに、「遠夜」と名乗る人間の少女が押しかけてくる。東京に住む吸血鬼のコミュニティを束ねる「白猫」が行方不明になり、「魔術師マダナイ」を頼れと言い含められていたという。
 情報集めのために街に出たとたん、パワーバランスの空白による騒乱に巻き込まれることに。


 大きなバトルが三回。なぜ、白猫ことシャミが死んだのかもきっちり解説されて、物語そのものは、きっちり辻褄が合わせられている。それだけに、中盤の主役だった「猟犬」ことシズや黒虎、金目。吸血鬼たちをまとめる、「姫」やヴァイパー、陽炎、スピーカーたちが魅力的なだけに、ちょっと扱いがもったいなかった感じはあるなあ。


 ヒロインたる遠夜のキャラが立ってないのは、意図的なものだったわけか。