瀬尾つかさ『深き迷宮と蒼の勇者:銀閃の戦乙女と封門の姫外伝』

 熊本地震以来、5年ぶりに物置から発掘されたので。やっと、いろいろとダンボールに詰めて置いといたのが開放。深き迷宮に封印されし文庫本の封印が解かれた!!


 『放課後ランダムダンジョン』に、その後、世界を同じくする『魔道書』シリーズと『銀閃の戦乙女と封門の姫』の内容を反映させて、改稿したもの。+後日談。
 基本的な筋は、そのまま、アルルメルルやエリカといった「銀閃」シリーズの登場人物がちょろっと顔を出している。


 妖精門で突然、様々な異世界が繋がった。しかし、その妖精門は、5年前に突如、ゲートブレイク現象で消失。地球を訪れていた異世界人は、小さな亜世界に引きこもり、異世界群へのゲート跡に現れた迷宮に挑んでいた。
 日本人に交ざって暮らしていた、異世界人とのハーフの主人公は、昔の知り合いから呼び出される。異世界にいて行方不明になったはずの「妹」が、迷宮の百階層で発見され、彼女は日本で暮らしていたという。彼女がどんな存在であるかを探るため、主人公は妹エーリエ、そして、仲間を失ったことで迷宮に潜れなくなった「勇者」あかりとともに、迷宮に挑む。
 そして、迷宮の奥底に潜む真の敵とエーリエを使った罠が明らかになり…


 ラスボスたる「ゼノ」、異世界人と地球人のハーフが親世代より圧倒的に高い魔力特性を持つといった基本設定が、他のシリーズに共用される。


 276ページ以降は、「銀閃」シリーズも含めた後日譚。ゼノを倒した後のエピソード。
 六道島の魔道書図書館が、いきなり迷宮に繋がる「穴」に飲み込まれてしまった。図書館の保全のためにもと、六道島に赴く和馬、あかり、エーリエの3人。そこで、梨花とフレイの二人と合流して、迷宮探索に。
 しかし、先んじて迷宮に入り込んでいたマッドアルケミスト、アルルメルルはとんでもないものを持ち込んでいて…
 虚空界ドリルで迷宮の結界を突破。しかし、迷宮全体が爆発の危険性ってw
 そして、和馬が幼い頃、大人として、迷いのない人々と思ってみていた人々が、悩み迷いながら戦っていた、子供の和馬に対しても同胞として接していたと教えられる。和馬の救いの話。