ナカノムラアヤスケ『転生ババァは見過ごせない! 2:元悪徳女帝の二周目ライフ』

 帝国の負の遺産に直面する羽目になるババァ。
 盗賊団を壊滅させて、ため込んだ財産ごとハンターギルドに引き渡したラウラリス。ちょろまかした野盗のお宝に混じっていた呪具から、帝国の亡霊「亡国を憂える者」なる帝国復活を目論む連中と事を構えることになる。
 一方、別の勢力らしき腕利きの男が、同じく呪具を探していて、協力を依頼してくる。互いに警戒しあいながら、「亡国」の幹部の一人エカロを追うことになる。


 潜伏先の町に移動。そこでは次々に女性がさらわれていた。当りをつけた商会に、貴族令嬢っぽい姿で潜入するが、単純にコスプレショップであった。そこで、怪しい動きをしている誘拐被害者の存在を知り、その大商会が協力していることを確認。彼らの伝手を使って、アジトへの侵入を試みる。敵地に武装解除された状態で潜入というリスクを高い手を平然と使ってくるラウラリスさん。まったく危なげはなかったけど…
 エカロの降霊術でラウラリスを呼び出そうという試み、すでに本人が復活している時点で失敗が約束されているんだよな。
 本拠に突入し、降霊術の犠牲になりそうな女性も保護、エカロも倒され、一件落着と思いきや、最後の最後で呪具を使って降霊を実行するエカロ。そして、引き当てた霊は、ラウラリスの父親、彼女に簒奪された愚王だった。怨念を晴らそうとする悪霊ともう一度ぶっ殺せると大喜びの女帝の闘い。呪詛をあっさりと振り払い、膾切り。300年地獄に閉じ込められた悪霊をあっさりと成敗。


 悪徳女帝を倒した後、そのカラクリ、帝国に悪名を集める一方で、対抗勢力の育成、帝国に店じまい、に気付いた「勇者」は、その意志を継いで、裏で腐敗を糺す特務機関「獣殺しの刃」を復活。「全身連帯駆動」の使い手をその核として育成した、と。
 女帝を継ぐ者たち。そして、女帝の敵の残滓が明らかになる。
 しかしまあ、現実世界では、超法規的権限を与えられた特務機関とか、暴走する要素しかないよなあ。CIAしかり、KGBしかり。だいたい、体制護持で暴走するんだよな。


 あとは、ラウラリスの黒歴史、「美少女怪盗」w
 徹底的に再現されたコスチュームをみて、白目を剥くラウラリスさん。しかし、機能性は現物に迫るほどだったので、潜入に使うとか。


 番外編は「暴れん坊皇帝」。お忍びで、市井に紛れ込んで無道な貴族を叩き潰す。水戸黄門暴れん坊将軍と遠山の金さんが混ざっているような塩梅だな。裁きのシーンは遠山の金さん的な。