鳳ナナ『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか 2』

 二巻目はパリスタン王国漫遊。
 「悪徳宰相飛翔(ゴドウィン・フライハイ)事件」から二ヶ月後、ディアナ聖教の「聖地巡礼」に密かに参加するスカーレット。実は、時の神の加護を受けた聖女として、「浄化の大聖石」の穢れを浄化する、秘匿された真の聖女だった。キャラが聖女からほど遠いけど。
 東北西南の順路で国の境にある大聖石を巡っていく、聖女ディアナや聖女守護騎士団といった一行。しかし、新興宗教パルミラ教団が、聖地巡礼を妨害してきて。ついでに、次々とスカーレットにぶん殴られる。
 聖女ディアナの結界を張る能力を奪ってみたり。出発時に大砲を撃って群衆を混乱させて、スカーレットに教会ごと廃墟にされたり。途中の街の領主を抱き込んで襲撃かけてみたり。大聖石を吹き飛ばしたり。西の大聖石に部隊を配置したり。


 一巻でスカーレットが婚約破棄される原因となったテレネッツァ復活。パルミア神の加護を得て、魅了の力アップ。パルミア教団の連中を操ったりと、ジュリアス王子とナナカを魅了したりと大活躍。
 で、南の大聖石で決戦。けっこう、普通にボコボコにされているのがなんとも。しかし、魅了でジュリアスが敵に回って、ピンチに。
 しかし、そこでジュリアスの加護「英雄譚」が発動。「ピンチに陥ったヒロインを絶対助けることができる」ってのは、確かに恥ずかしいかも。「――助けて。私の王子様」とか、スカーレットのセリフが、なんかグッときますね。


 しかし、パルミア教の急速な発展が、魅了で無理矢理信者にしているというのが…


 最終的に、ジュリアスとスカーレットがくっつくのかあ。ケンカップルって奴ですね。番外編は子供が大きくなってから。娘が婚約破棄されたシーンでも、ぶん殴るのはスカーレットさんですか…