空飛ぶ狐亭から興味のある記事をピックアップ

d.hatena.ne.jp
歴史叙述と文書公開

それでは、こうした現状に対して日本の歴史家たちはどのように考えているのだろうか。この点に関して、日本近代史の加藤陽子は「証言」や「資料」を墓場まで持って行くことを美徳とせず、きちんと後世に残していくのが公人の責任ではないか、と戦中の指導者の身の振り方に触れつつ、資料の保存と公開の必要を切実に訴えている。また中国外交史の川島真も、特定国の政府資料がより多く公開されアクセシブルであることによって、その国が歴史叙述の国際的な趨勢にもデ・ファクトに影響力を行使している状況を指して「アーカイバル・ヘゲモニー」と呼んで、問題提起している。日本が資料公開を(どのような理由にせよ)渋ってきたことが、歴史観歴史認識が互いに試される国際的なアリーナにおいて不利に働いている、という指摘である。

歴代大統領が、自分の持つ個人文書をもとに図書館を作ってる国とは、格が違うよな…
日本のインテリジェンス研究
日本における研究史のごく簡単なまとめ。メモ。なるへそ。