本多良一『イワシはどこへ消えたのか:魚の危機とレジーム・シフト』

イワシはどこへ消えたのか―魚の危機とレジーム・シフト (中公新書)

イワシはどこへ消えたのか―魚の危機とレジーム・シフト (中公新書)

 地球科学ネタの本かと思ったが、そのあたりは少々薄め。むしろ漁業問題、資源管理といった方面を重視している。
 広域の環境のパターンが10年単位で変動するのがレジームシフト。それによって特定の種の漁獲が増減し、また取れる魚種も変動する。本書では、現在行われている漁業規制が、旧来の資源量が変動しないという前提での規制が、そのような実態にあっていないこと。しかも、そのレベルの資源管理もうまくいっていない状況で、乱獲状態にあることを指摘。水産庁をはじめとする当局の予算の硬直性の問題も。現状では漁港整備よりも資源管理に重点をおくことが必要だとは思う。
 しかし、難しいねえ…