- 作者: 松本仁一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/05/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
コロンビアのルポに関しては、ノリンコの銃がアメリカに持ちこまれ、それがコカインと引き換えにコロンビアに流れ込む状況。一般のゲリラがどんな人物か。なかなか興味深い。しかし、コロンビア政府の点のつけ方が甘すぎるのではないかなとも思う。コロンビアでゲリラが根強いのは、単純に山地で、統治が行き届かないだけではないのではないかな。アメリカとの関係、統治の問題。ついでに言えば、南米にカラシニコフをばら撒いた責任の一端は、アメリカにもあるわけだし。
パキスタンのコピー銃製造の村も面白い。部品を分業で生産し、それを組立工房で組み立て、部品にやすりをかけて調整するというのは、昔風の生産風景だなと感心した。『大英帝国の<死の商人>』(ISBN:4062581108)で描かれる19世紀あたりのバーミンガムの銃製造の光景と似ている。また、やすりをかけて調整するというあたりは、日本の38式歩兵銃を連想させる。この村の銃生産が輸入品に対抗できるのは、人件費が安いからか、あるいは外部からのAKの輸入が制限されている状態だからか。そのあたりが疑問に思った。