Kousyoublogからピックアップ

[歴史]なぜ人類の脳は250万年前に突然大きくなったのか? | Kousyoublog

 へえ。ホモ・サピエンスは、1600ccから1400ccと、15万年で微減しているのか。大きすぎても、しょうがないと。脳の巨大化に、肉食との関連は特に認められないと。燃費の悪さを考えると、入手が安定しない肉よりも、植物食の方が、継続的に入手できて安全性は高いわな。肉食は、性選択とも関係する。
 脳の巨大化そのものは、ウイルスによる遺伝子の変化と関連付けられているようだけど(→長沼毅『辺境生物はすごい!』)。環境や社会的な協力関係の構築による淘汰を経て、大きくなる方向に選抜されていったと。

[歴史]日本史上形骸化を繰り返す監察制度と将軍の隠密「御庭番」の活躍 Kousyoublog

 この種の観察制度が機能した国や時代ってあるのかね。朝鮮半島だって怪しいものだが。
 結局、外から入ってきた将軍が、独自の情報源確保のために創設したのが御庭番と。表向きは将軍の直属スタッフで、エリートコースだが、その組織の職能の一部に隠密任務があったと。

[歴史]武田武士団を基盤とした会津武士団の誕生 Kousyoublog

 徳川家って、北条遺臣や武田遺臣が多いよな。勢力拡大の過程で、そのあたりの武士をリクルートしたんだろうけど。
 武田家の軍団の一つが、保科家に再結集。それが、会津に移って、その子孫が幕末に活躍したと。秀忠の庶子保科正之は、信濃高遠城主の養子に入る。で、徐々に加増されていくが、高遠の武士を重用。他からのリクルートをほとんどおこなわなかったと。

[歴史]1707年グレート・ブリテン連合王国成立に至るスコットランド・イングランド対立の歴史 | Kousyoublog

 中世にできたスコットランドイングランドに対する遺恨。そして、ハイランドとロウランドの区別。近藤和彦『イギリス史10講』によれば、ハイランドの政治勢力は、結局、徹底的に破壊された感じだが。
 エリザベス1世死後、スコットランド王ジェイムズがイングランドに迎えられて、同君連合成立。ジェイムズ1世の政治的手腕が結構すごい。その後は、スコットランドの弱体化から、ほとんど吸収合併の連合王国の成立。
 一方で、18世紀以降、「民族」としてのスコットランド人が出現。「コミュニティが壊れたときアイデンティティーが生まれた」か。さらに、第2次世界大戦後のスコットランドの経済的衰退とサッチャー政権の福祉削減が、現在の独立運動につながると。

近世オーストリアの名将プリンツ・オイゲンまとめ | Kousyoublog

 どうにも、16世紀のブルボン公シャルル3世と、イメージがかぶる。
 オスマン・トルコ相手の戦争で活躍、頭角を現す。その後、スペイン継承戦争で、オーストリアを代表する指揮官として活躍。戦争を指導。その後は、オーストリアの政治面も主導する存在になる。この時代のヨーロッパ情勢って、結局、強すぎるフランスをどう封じ込めるかがメインテーマだからなあ。
 そして、プリンツ・オイゲンが「再発見」される過程。コスモポリタンなヨーロッパ人が、第一次世界大戦中に「大ドイツ主義の英雄」とされる。しかし、「ドイツ人」の統合に、スラブ人はそれに従えって、帝国主義としてもアレな感じだな。で、そこから、ナチスが名前を利用する流れか。重巡に師団名に。

「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」ヨアン・グリロ 著 | Kousyoublog

 1960年代から70年代のヒッピーブームで、マリファナの需要が拡大。この時期から、組織的な「麻薬ビジネス」が登場すると。それに対して、アメリカはトルコやメキシコの麻薬産地を撃滅する。しかし、内戦が続くコロンビアを聖域として、麻薬生産が拡大。コロンビアからメキシコへの、密輸ルートが再編。武装化が進む。で、冷戦後、コロンビアのメデジン・カルテルが大打撃を受けると、メキシコの麻薬組織が中核に躍り出る。そして、2006年以降の麻薬戦争。
 社会に麻薬組織が深く食い込んでいるのが、難しい問題だよなあ。そもそも、貧困対策や農業対策が不足して、麻薬産業に多くの人が流れ込んでいるのが問題と。巨大な格差と地下経済。再分配を怠ると、こういう世界になるよと。
 新興宗教としてのマフィアってのも、すごいな。神の名のもとに、殺しまくるって、本気で最悪なのだが…
 アメリカの銃規制は、本当に必要だと思うが、まあ、無理だろうな。「合州国憲法」という聖典の前には、銃犯罪の死者も麻薬組織の犯罪も、必要な犠牲なのだろう。