瀬尾つかさ『くいなパスファインダー』

くいなパスファインダー (一迅社文庫)

くいなパスファインダー (一迅社文庫)

 「ゲートワールド」シリーズの第二弾。
 今回も直球のジュブナイル。片やどんな文字でも直感で理解できる天才少女、片や「創造者」の魔法を得た少年。どちらも異能なキャラだが、本質は不器用な少年少女が心を通じ合わせる話。
 また、背景となる「ゲートワールド」が魅力的。障壁(クリフ)によって欠片(ピース)に分断され、一方通行のゲートでしか互いに移動できない世界。様々な知的種族が割拠し、対立しあう厳しい世界。地球もそれに飲み込まれ、文明は崩壊、人類の99パーセントが死滅した状況。前の巻『円環のパラダイム』では、この世界の優越種族円環族とハスの医族の争いが背景になっていたが、この巻ではうって変わって遺跡を探索し価値あるものを集める探索者(パスファインダー)と自由都市を舞台にした話。インディ・ジョーンズだな。
 このシリーズは末永く続いて欲しいところである。