- 作者: 北村嘉行
- 出版社/メーカー: 三恵社
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
問屋と小規模生産者で構成される工業というのは、本当に広い範囲に存在するのだな。
あと、これは本書とは直接関係ないのだが、19世紀末から20世紀前半にかけての、都市雑貨工業に関連して、ちょっと思い出したこと。松井章『環境考古学への招待』でこんな一節がある。
ここで、牛馬の骨の思いがけない使い道について、お話しておこう。皆さんの多くが毎朝晩、お世話になっている歯ブラシも考古学の対象となる。それは数年前、私の手元に届いた一人のアメリカ人考古学者の手紙から始まった。アメリカの都市考古学で出土する歯ブラシのうち、二〇世紀以降の遺構から出土する大半が日本製で、その柄に刻印されたインペリアル・ブラシ・カンパニーだとか、クレンゾーといったメーカーについて調べてほしいという問い合わせだった。p147
『環境考古学への招待』を読んだときには、へえーと思いつつ読み流していたが、これこそが戦前の都市中小工業の製品なんだよな。逆に言うと、アメリカの出土遺物から情報から新たな視点が生まれてくるのかも。
環境考古学への招待―発掘からわかる食・トイレ・戦争 (岩波新書)
- 作者: 松井章
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/01/20
- メディア: 新書
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (15件) を見る