「八代の包丁海外で人気:700年続く「盛高鍛冶刃物」鋼の切れ味に支持 英語HP自作、注文続々」『熊日新聞』11/11/30

 八代市宮地町の「盛高鍛冶刃物」は、鎌倉時代から約700年の歴史があるという老舗。鋼の包丁の切れ味が支持され、インターネット経由で海外からの注文が年々増えている。27代目の盛高経博社長(39)は「量より質。信用で勝負したい」と意気込む。


 盛高社長によると、同家の先祖は福岡県太宰府市宝満山に住んでいた修験道者の刀工。1632(寛永9)年に細川三斎に従って、現在の八代神社門前に移った。昨年法人化し、妻で副社長の明子さん(37)や先代の経猛さん(66)ら家族で経営している。
 10年ほど前に経博さんが全国の百貨店などに出店し始めた際、時折外国人が買っていくのに気付き「外国人も刃物に興味があるのでは」と思い始めたという。
 海外のトレッキングが趣味の明子さんが英語を勉強していたこともあり、2007年2月に英語版のホームページを開設。当初は個人客が中心だったが、次第に海外の刃物店からまとまった注文が増え、現在はデンマークアメリカ、カナダなど30ヵ国と取引している。
 海外に販売しているのは包丁がほとんど。同社の月産能力は300本だが、7-11月は海外から約700本注文があった。「今までにない切れ味。料理が楽しくなった」などという感想も寄せられている。
 経博さんは「ステンレス製と違い、鋼の包丁は食材に吸い込まれるように刃が入っていくんです」と力を込めた。(和田毅

 やはり伝統工芸のもつ底力は大きいんだな。あと、出自も興味深い。宝満山修験道系の刀鍛冶か。修験道の道場が技術センターだったってことだよな。