軍艦メカニズム図鑑―日本の戦艦〈上〉 (軍艦メカニズム図鑑)
- 作者: 泉江三
- 出版社/メーカー: グランプリ出版
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
最初の装甲艦である「甲鉄」、後の「東」から太平洋戦争までの戦艦の歴史、戦艦の設計計画や線図、船殻や装甲などの船体構造、艤装や様々な設備などが紹介される。細かい部分がこうなっているのかと興味深い。また、明治の主力艦が紹介されるのがおもしろい。しかし、後半顕著なのだが、どうも図の解説が不親切というか、図を見て現物が想像できない感じがある。どっちかというと、読む本というよりも、引く本という感じだな。
本書では戦艦の公式図面などが紹介されるが、ああいう「公式図面」って、だれが持っているものなのだろうな。現在どこに所蔵されているのか、あるいは、どのような経緯で保存されてきたものなのか、そういったところが知りたい。そもそも、図面をみるのに、A5版というのは、あまり向いていないしな。
メモ:
日本海軍艦艇のビルダーズ・モデルも、戦前「遊就館」(靖国神社)・「海軍館」(東郷神社)などで(バルジその他秘密部分を秘匿した)模型が多数陳列されていたが、すべて米軍が戦利品として接収、現在アメリカ各地の博物館・記念館に配分されて陳列されている。
それより何より私が気懸かりなのは、敗戦までに多数の献上模型が正確に完成図通りに製作され、軍艦が竣工の都度、陛下に献上されていたが、その行方が杳としてしれなくなっていることである。
敗戦のドサクサに紛れて行方不明になってしまったものか、連合軍に接収されたという情報もなし、必ずや国内のどこかに秘蔵されていると考えられるのだが、敗戦後半世紀を経過した現在も、その行方は未だに不明である。幸いにしてそれらが残っているならば「船の科学館」あたりでまとめて収蔵すべきものであろう。p.236
なんか、文書類といっしょで、破却したんじゃないかという気もするが。