熊本県立美術館別棟展示室「名君 細川重賢と時習館の英雄たち」

 一昨日見た展覧会、二本目。感想書きがズルズルと遅れ中。


 タイトルのごとく、細川家中興の祖、名君と名高い細川重賢の愛用品や業績に関連したものを展示する企画展。重賢公の肖像画、前期は衣冠姿、後期が普段着姿が展示されるが、こう言ってはなんだけど、狷介そうなお顔だなあ、と。
 いつもは写真撮影ができないのだけど、今回は写真撮影可の所が多くて、写真掲載。

名君細川重賢の誕生

 第一章は、「名君細川重賢の誕生」ということで、兄宗孝が江戸城で襲撃されて急死した状況、肖像画、佩用の鎧、帳面などが展示。重賢のメモ帳が興味深いけど、読めても、メモ書き1ページでは、何に興味を持ってメモしたか、理解しがたいなあ。


 重賢が儀式などで着用ないし飾ったらしい「桜金物紺糸威胴丸鎧」が豪華。喉輪や甲の反しをはじめ、板状のパーツ部分が、全部透かし彫りという豪華仕様。さすが国持ち大名の鎧といった感じ。







 博物学の研究が趣味で、他の大名と資料をやり取りして、それを絵師に描かせたりしていた。「游禽図」は、鳥を描いた図集。高松藩主が描かせた図集を模写させた物という。
 バンは熊本でも見かけるな。



宝暦の改革と時習館

 第二章は、宝暦の改革関連の展示。
 堀平太左衛門の抜擢、財政再建、櫨専売、藩校の設立、刑法典の編纂、医学校の設立といった事績が紹介される。史料が多い。まあ、細川家の改革の方向性は、大阪への米の売却の安定と、その収入に見合った支出への調整といった感じと考えれば良いのかな。


 時習館扁額。


熊本藩の藩校について

 第三章は、藩校時習館についての展示。
 学校敷地の図面や規則、行政側の記録、明治になってからの評価といった紙物の展示に加えて、時習館の印鑑、楽器類が展示。時習館での学問の教授の他に、武芸の練習も行われていた。また、これらの学習は、私塾との連携で実現していたものだったとか。
 学校印は秋山玉山の筆跡を写した物で、最初は石だったのが摩耗したために、筆跡を保存するために、銅で複製したという。


 太鼓。雅楽の授業のために用意された楽器の一つ。京都の楽器師に発注した物で、セットで十数両かかったそうな。絵が描いてあって、中央の叩く所だけ摩耗している所が印象的。実用した楽器だったのだな、と。