県立図書館、文学館が所蔵する資料を紹介するコレクション展。連番だと、なかなかの数になってきたな。歴史資料サイドと文学資料サイドの二本立て。
「熊本藩の地域把握~検地帳と手永絵図から知る江戸時代の熊本~」
今回の歴史サイドのテーマは「地域把握」ということで、検地帳と郡や手永レベルの絵図が展示。
熊本藩では、1603-8年の加藤清正の検知に始まって、宝永期(1704-11)に細川家入国後の再確認である「地撫」、1757-69年に、細川重賢主導で過去の検地帳と照らし合わせ、各土地に地番を付した「地引合」、文政から天保期に最後の「再地引合」と50-100年間隔くらいで、再調査が繰り返されている。それで、700町余の隠田が摘発されていたりするのだから、やるだけの価値があったのだろうな。
これ、現地に行って照合したら、どれだけのことがわかるのだろうか。耕地整理が行われていて、古い地籍図と照合する方が早いかも知れないが。
小野村諸新地地引合改見図帳」に、隠田700町余が摘発された結果、これからはきっちり報告しますと始末書が帳面に付けられているのが興味深い。あとは、「中村田畑地引合改見図帳」の基準が違っていて不便なので再作成したという経緯が書かれているのとか。
熊本市内に当たる八王子村の帳簿では墓地や空き地も記載されている。「地推上畝物成」ってなんだろう。同じく熊本市内河内村関係では、みかん、桑、茶などが把握されていて、商品作物も課税対象となっていた。
江戸時代の肥後での絹織物生産って、どのくらいの規模だったんだろう。あとは、ミカンの流通範囲とか。
絵図類に関しては、阿蘇郡小国北里手永と玉名郡中富手永の絵図と玉名郡の絵図が展示されていた。ただ、展示ケースに平置きされると、上の方の文字が全然見えないんだよなあ。