80年代初期ロリコン漫画誌の時代?SFと美少女からエロ漫画への変遷を辿って - WEBスナイパー

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 ロリコン漫画からエロマンガへ。
 ここで紹介されている『漫画ブリッコ』の空気って、『電撃Gzマガジン』あたりに通じるような。そこからエロ強化で、SFなどの「サムシング」が分離していくと。

一般誌とロリコン漫画誌の垣根は極めて低かったわけだし、そもそもロリコン漫画のエロ度も極めて低かった。フェチ度が高く、現在でいえば「萌え」要素も強かったが、具体的な性交シーンは売り物というよりは「エロ漫画」としてのアリバイ作りに近いところがあったし、全く性交シーンのない漫画も少なくなかった。

エロ含有量は現在の一般青年誌以下だし、内容的にはほとんどSF漫画と少女漫画だ。この号に限らず女性作家が多いこともポイントだ。これのどこがエロ漫画なんだ!?と思うだろうが、『漫画ブリッコ』では、この後もこんな調子だったし、先行誌の『レモンピープル』も似たようなものだった。当時はこれでもエロ漫画誌として認識されていたし、三流劇画はとは違う自分たち好みの「エロ」として愛好していたのである。

では初期のロリコン漫画、美少女漫画にかかわった漫画家たちはどうだっただろうか? イベントで興味深かったのは浦嶋嶺至がしきりに「ロリコン漫画」と「エロ漫画」を分けて語っていた点だ。エロ漫画のエロをちゃんと追求して描いている浦嶋嶺至なので、この「切り分け」感には説得力がある。「描きたかったのはポルノではないサムシング」という言い方もしていた。そのサムシングはある意味、後の「萌え」として展開していったと見ることもできるだろう。

 「多少のエロさえあればなんでもあり」からエロ強化って流れは、2000年代のエロゲーでも見られる展開だな。ジャンルが成熟してくると、やはり商売的に固い方向へ流れていくのかね。