高橋慶史『ラスト・オブ・カンプフグルッペ 3』

ラスト・オブ・カンプフグルッペ〈3〉

ラスト・オブ・カンプフグルッペ〈3〉

 久しぶりの続刊。結構お高い、さらに本の重量もなかなか。もってると疲れる。写真をたくさん載せているから、紙が分厚くなるんだろうな。
 この巻では、島嶼に取り残された部隊、東欧の機甲部隊、フランス海軍の最期、空軍地上師団、ワルシャワ蜂起、最末期の西部戦線装甲列車といった、また実に楽しいラインナップとなっている。
 エーゲ海英仏海峡島嶼に展開した部隊が、戦線の後退によって取り残され、飢えに苦しみながら終戦まで頑張る。悲惨と言えば悲惨なのだが、飢えの度合いは、太平洋の島々に取り残された日本兵よりも増しそうな感じ。住民が多い島だけに、赤十字を通じた食糧の援助があるし。パルチザンに虐殺されながら敗走する本土(特にバルカン半島)と比べると、割と運が良かったんじゃねという感じもする。あと、チャンネル諸島への無駄な資源の投入もすごい。コンクリにしろ、労力にしろ、ノルマンディーあたりに使ったほうが良かったよなあ。
 あとは、ハンガリーの戦車がかっこいいとか、ドイツ軍の装甲列車が意外にしょぼいとか。一両あたりの制限重量が40トンくらいだと、地上戦艦みたいな重装甲ってわけにはいかないよなあ。側面の広い範囲を装甲しなくてはいけないわけだし。高木宏之『写真に見る鉄道連隊』に出てきたシベリア出兵時の応急装甲列車とあまり変わらない感じだったな。
 ワルシャワ蜂起の無残さも印象的、東部戦線はどこもかしこも無惨だよなあ…