瀬尾つかさ『銀閃の戦乙女と封門の姫 6』

銀閃の戦乙女と封門の姫6 (一迅社文庫)

銀閃の戦乙女と封門の姫6 (一迅社文庫)

 シリーズ完結。女性陣の尻に敷かれながらも、主人公らしく活躍したんじゃなかろうか。
 司令部が襲撃されフレイがゼノの始祖七柱に捕われるなか、クァント・タン勢は大学に撤退。エリカと梨花の合体。ゼノの中枢である始祖七柱を倒すべく、カイト、ソーニャ、力を得た梨花の三人が王城に侵入し、暗殺作戦を決行するが、それを読んだゼノの側は始祖七柱の他の6柱も呼び寄せ対抗する。最後はカイトを軸に集まった人々の共同作戦がゼノを倒すことに。
 エピローグが比較的長い。ゼノ撃滅後も騒がしく生きていると。しかし、ラストの方では、梨花のラスボス化がすごすぎる。邪神よりも強いとか、なんか腹黒方面でも成長していたり。タイトルにあった「封門の姫」というのは、両者を合わせてのことなのだな。あと、正妻はフレイだったり、カイトたちが六道島に転入していたり。謙児とイリーナは入れ替わりで卒業ってことなのかな。つーか、彼らは卒業できたのだろうか。『放課後ランダムダンジョン』のあかりと和馬も出てきて、クロスオーバーも完璧だな。
 正直、シャーロッテと梨花が腹黒方面で活躍するようになってから、カイトは影が微妙に薄かったが、「予言を覆す者」という立場なら主人公としての存在感は維持できたかな。ラスボスを直接倒したのもカイトだし。妖精族の怪しい会合というのは読みたかったような気がするな。