「44年前の「国土の変貌と水害」復刊」『朝日新聞』2015/5/21

 今年の日本国際賞を受賞した高橋裕(ゆたか)・東京大名誉教授(88)が1971年に書いた「国土の変貌(へんぼう)と水害」(岩波新書)が、受賞を機に復刊された。ハザードマップの概念や住民参加を提唱するなど現在の防災の考え方の礎となっている。
 高橋さんは50年代、明治以降の堤防建設などの河川改修で川に集まる水量が増え、洪水の規模が大きくなっていることを科学的に解明。遊水地を造って氾濫(はんらん)させるといった「総合治水」の考え方を提案した。
 著書では、筑後川の大洪水など戦後の大水害の現地調査から得た知見をまとめ、住民と行政が治水の意図を共有し、避難計画を作って訓練することの大切さなどを説いた。高橋さんは「当初は役人から悪書だとも言われた。当時の防災に対する考え方や雰囲気に思い巡らせながら読んでもらえれば」と話している。(合田禄)

 メモ。書店で見かけたら。今読むと、当たり前としか感じなさそうだな。