ネイビーヤード編集部編『ドイツ海軍ピクトリアルモデリングガイド:艦船模型で再現するドイツ海軍の主要水上艦』

 こうして見ると、第二次世界大戦中のドイツ大型艦ってかっこいいな。他の国より一回り程度大きいから、それだけ余裕があるってことかもしれないが。ビスマルク級にしても、他の国は軍縮条約の枠内である3万5000トンに収めようと四苦八苦していたわけだし。重巡洋艦も一回り大きいし。
 Takumi明春氏による大型艦の作例と、岩重多四郎氏による駆逐艦の作例。それに岡部いさく氏のビスマルクやシュペーの活動のコラム、吉原昌宏氏のディテールコラム。
 大型艦は、ビスマルク級が二隻、シャルンホルスト級ポケット戦艦軽巡、空母が一隻ずつ。ヒッパー級重巡が三隻中、二隻。ブリュッヒャーの扱いが。Takumi明春氏の超絶造り込みが、相変わらずすごい。こんなの見たら作れないだろうレベルで。一方、レジンキットカールスルーエのディテール工作の少なさがすごく目立つ。つーか、ケーニヒスベルク軽巡って、溶接を多用した結果、巡航中に船体が破断って、本気で駄目じゃん。デザインはけっこう好きなんだけどな。
 駆逐艦は、岩重多四郎氏が担当。こちらは控えめディテール。79ページの駆逐艦の履歴が興味深い。ナルヴィクで、ウォースパイトに撃沈されたドイツ駆逐艦って、ドイツがその時点で投入可能だった駆逐艦の半分を占めていたんだな。それだけ沈められると、活動が鈍るのも当然といったところか。
 しかし、大日本絵画のムック本の値段高騰はアレだな。この内容で3000円越えるとちょっときつい。