『世界の艦船』2017/10号

世界の艦船 2017年 10 月号 [雑誌]

世界の艦船 2017年 10 月号 [雑誌]

 今回は、2010年以降に就役した新型軍艦の特集。
 アメリカが、ズムウォルト級やLCSで失敗し、フォード級空母で新機軸の実用化に苦労している。ロシアの新型艦が続々就役。ヨーロッパはここ数年報道されていた艦が出そろった感じか。英仏の防空艦の世代交代。ドイツのバーデン・ビュルテンブルク級は、軍事環境が変化して、これから困るんじゃなかろうか。フランスのバラクーダ型原潜は、建造が難航しているようだ。中国は、1万4000トンの防空艦が進水。あと、東南アジアやパキスタン、アフリカへの艦船輸出の拡大。
 個別の国では、ナイジェリアの軍拡が目に付く。大型揚陸艦1隻、フリゲイトが2級5隻、コルベットを国産。石油資源からの収入が、そんなに調子良かったのか。揚陸艦とか、正直、導入する意味があるのか、首をひねるところであるが。南米、ペルーやコロンビアが、大型の揚陸艦を導入しているのも、どういう意図なのだろうか。
 近年の国際艦船市場では、MEKO級が振るわなくなって、フランスのゴーウィンド級やオランダのシグマ級が成功している話。ゴーウィンド級フリゲイトとして、シグマ級はコルベット哨戒艦として住み分けているのが興味深い。
 各国の哨戒艦が、それぞれ個性的な姿をみせているのも、萌える。


 写真では、第二次世界大戦中の航空能力揚陸艦LST-776が印象的。滑走距離の短い軽飛行機を数機搭載、発進はプラットフォームから、着艦は舷側に張り渡した索具にフックを引っかけてという、なかなかアクロバティックなことをしている船。これ、実用性はどうだったんだろう。普通に、水上機を運用したほうが楽だったんじゃ…


 連載の潜水艦の話は魚雷について。爆発による気泡がつぶれるときに起きる上向きのジェット水流が止めを刺すのか。魚雷って、なかなか複雑そうなシステムなのが分かる。
 ヨーロッパの海戦の連載は、今回、アルトマルク事件メイン。アルトマルクを襲撃したヴィアン大佐、最終的には元帥まで出世しているのがすごいな。