『丸』2016/2号

丸 2016年 02 月号 [雑誌]

丸 2016年 02 月号 [雑誌]

 これは、インフル発症前に読んだ本。『丸』って、初めて買ったけど、独特の雰囲気の誌面づくりだな。現在の状況と、大戦の連載が並列して載っているのが、特徴か。


小泉悠「2016世界の軍事・外交情勢を占う」
 この人、軍事系の雑誌で引っ張りだこだな。同じ月に発売のミリタリー系の雑誌、軒並み載っている感じが。ロシア関係を書ける人物は希少価値があるってことなのだろうか。
 中東の液状化、ロシアと欧米の関係険悪化、中国の海洋進出。


古峰文三「悲運のヒーロー「烈風」神話の真実」「艦戦「烈風」の心臓/搭載エンジンの全貌」「艦戦「烈風」が母艦を飛び立つ日」
 零戦後継の艦上戦闘機「烈風」の紆余曲折。艦載機として、翼面荷重の計画値が低く抑えられたことが、機体の大型化を招き、紫電改より低性能の航空機にしてしまったと。あとは、エンジンのテスト進展のタイミングとのミスマッチや戦局に邪魔された側面、空母の設備が航空機の進歩に追いついていなかった状況とか。
 しかしまあ、エンジンの性能向上の限界、ひいては燃料の合成技術の限界なんかも厳しいはなしで。


竹内修「韓国KFXとアジアの新世代戦闘機」
 アメリカの第5世代戦闘機ほどの高性能ではないが、ステルス設計を導入した戦闘機が、近い将来各国で生産されるようになると。
 一方で、ウェポン・ベイからのリリースシステムは、設計の難易度が高く、たいがいオミットされているってのもおもしろい。


鈴木五郎「日米巨人機誕生秘話」
 失敗作DC-4Eが、日本の四発機の基本になったこと。一方で、ダグラス社は、そこから絞り込んだ新DC-4で成功と。


広田厚司「戦場を駈けたイタリアンMBTの系譜」
 個人的には、イタリアの中戦車って、好きなデザインだけどな。M13/40とか。


橘蒼兵「沖縄戦全史:第九回最後の組織的戦闘」
 沖縄本島南端での戦い。健闘はしても、もって数日か。


大柳繁造「紅の翼
 A-26かっこいい。


勝目純也「日本海軍艦艇証言集」
 今回は潜水艦の乗員のインタビューらしい。映画「轟沈」の撮影時に、同じ潜水艦に乗り込んでいた人の話が興味深い。


岡村青「決起叛乱「上野事件」始末記」
 叛乱に加わった少尉が、自分の言うことに反対する人間を殺しまくりってのが、怖いな。それを「一途な情念」で済ますのか。あと、事件後の始末もぬるいな。自決せよって…