田中芳樹『窓辺には夜の歌』

 大学の学園祭の前夜祭で、耕平は来夢と再会する。人気アイドルのコンサートで、事故が発生、死人が出る。それは、魔術書によって力を手に入れ、社会的地位をほしいままにした、ある人物の、日本支配の企みの始まりだった。
 物語としては、『夏の魔術』にかなり劣るな。比較的早い段階から、明確な敵の姿を出してしまったのがな。ホラーは、状況が分からないまま、主人公が走りまわされるのが、基本だろう。そして、敵が、魔術に振り回される、むしろ卑小な人間だとな。
 とりあえず、来夢ちゃんはかわいい。