文化財の被害

 昨日回った、各種の記念館や神社など。やはり、ジェーンズ邸と熊本城の被害が突出している。熊本城中核部の東と北側は、石垣の斜面が軒並み崩壊している。周辺の道路が封鎖されているので、外側から見ただけだが。
 あとは、神社の鳥居や門柱の類の崩壊が目立つ。

ジェーンズ邸

 一番ひどい被害を受けている。文字通りぺっちゃんこ。今は、ブルーシートをかけられて、保護されている。中に展示されていた文献などの資料も、もろともに巻き込まれてしまっている。関係者が一部をサルベージして、乾燥作業などを行っているが、大半は、建物に埋もれたままのようだ。資料保存の支援が一番必要そうな場所。
 同じ敷地内の漱石旧居は無事。




 在りし日のジェーンズ邸。二度移築されている建築物だし、その時の資料もあるだろうから、再建は不可能ではないと思うが。もともと、老朽化が進んでいるとは聞いたことがあるし。



熊本城東側

 熊本城も、負けず劣らずひどい状況。石垣が崩れ、西南戦争を耐え抜いた櫓が、崩落している。ぶっちゃけ、天守が崩れるよりひどい被害だと思う。とりあえず、通れる道が少ないので、東側の外郭だけ。
 10年も、20年も、修復にかかるなら、それをエンターテイメントとして見せるしかないなあ。あるいは、意図的に、壊れたところを見せるか。










 異常なく見えるところも、なんか斜面が膨らんで、ゆがんでいるように見える。全部の石垣を点検する必要があるのではないだろうか。



 南側の百間長塀も、東側三分の一程度が、内側に倒れている。昨年は、台風で破損するし、受難続きだな。
 対岸の坪井川沿いの歩道も、護岸が壊れかけて、デコボコになっていて怖い。




 御幸橋脇の熊本城の石碑。もともとは、下馬橋という橋があった正門の枡形跡。石垣が歪んでいる上に、上の石碑がねじれている。何があったんだ…


神水若宮神社

 いくつか神社を見て回ったが、どこも、鳥居が崩壊している。一番壊れやすい構造物なんだろうな。ここが最初。




小泉八雲旧居

 鶴屋の裏に建っている、ラフカディオ・ハーンの旧居。とりあえず、壁にヒビが入っているが、大きな破損は外観から見えない。ただ、鶴屋の裏側全体が、工事中で通行止めになっていて、中の様子をうかがうことはできない。




高橋公園

 熊本城稲荷と熊本大神宮のお向かい。敷地内の銅像群は無事だが、入り口の門柱が崩壊。もとは、第六師団長官舎の門柱で、貴重な戦争遺跡。



山崎菅原神社

 こちらも、鳥居と石灯籠が倒壊。狛犬は、残っているが、阿像の後ろ足に亀裂が。





花畑別館

 外観から見ると、特に被害があるようには見えないが、倒壊の危険ありということで、歩道が封鎖されている。確かに、耐震診断では、震度5以上かなにかで、倒壊の危険ありということになっていたが。






手取天満宮

 こちらも、鳥居が崩壊。それに巻き込まれて、徳富蘇峰の歌碑が倒れている。狛犬は無事。







大江神社

 大江渡鹿の交差点のすぐ裏側にある神社。こちらも、鳥居崩壊に、玉垣が倒れている。狛犬は、阿像が台座から転落。






保田窪菅原神社

 見て回った神社の中では、一番損害がひどい。鳥居、石灯籠、石碑、狛犬などが軒並み倒れ、拝殿にも被害が。そういえば、裏側に回って本殿の確認はしていないな。
 再建に金がかかりそうな…