虚淵玄『鬼哭街:鬼眼麗人』

鬼哭街―鬼眼麗人 (角川スニーカー文庫)

鬼哭街―鬼眼麗人 (角川スニーカー文庫)

 うーむ、見事にヤンデレでしたね。単純な復讐から、徐々に漏れ出してくる狂気。道ならぬ恋に狂う少女、そして、手に入らぬならすべて壊してしまおうとする男。すべてが滅び去った後に、ルイリーとタオローの二人は、ひとつの魂に溶け合うことで、結ばれる。これ、ハッピーエンドなのだろうか…
 「魂」を移しかえるサイエンティストとその実験に乗って、自己の身を焼いた少女が影の主人公なわけだ。しかし、器を移し変えた「魂」は、そもそも、同一性なんて考えようがないよなあ。
 元のゲームに分岐ないのか。