枯野瑛『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? ♯02』

 二冊目。「前世も侵食」といった問題が出てきて、クトリに悲劇フラグがガンガン建っていく展開。


 15番浮遊島の戦いは二週間たっても終わらず、落ち着かないヴィレムは、11番浮遊島のコリナディルーチェの施設に、妖精の一人を連れて行く仕事を引き受ける。そこでクトリたちと再会、揉め事を一つ解決。さらに、「大賢者」にして、かつて勇者グループの仲間だったスウォンと再会することに。
 ここらで、世界観がグッと広がるな。1巻が、出会い、関係を深めていくところに集中したのに比べ、まわりの世界の説明がなされる。「獣」に滅ぼされた地上。それを、スウォンとイーボンキャンドルがむにゃむにゃして、現状を維持している。黄昏の世界。それを維持するために、妖精たちが犠牲になっていく世界。


 一方、クトリは、「絶対帰る」というヴィレムとの約束を糧に、「前世の侵食」を乗り切るが、その後、ヴィレムが大賢者との会合を待つうちに、力尽きる。通常なら、妖精の「死」であるが、そこから蘇ることには成功する。しかし、それは、かりそめの時間にすぎなくて。


 このあたりから、ネフレンのヴィレム大好き感が出てきているな。
 再開時の、ヴィレムのBダッシュからのクトリへの抱きつきは名シーン。