神坂一『スレイヤーズすぺしゃる27:スタンプ・トゥ・キル』

 15冊目。
 「ロスト・メモリー(前後編)」、「スタンプ・トゥ・キル(前後編)」、「セルフ・クエスト(前後編)」に、書き下ろしの「ファミリー・ポートレート」。
 そういえば、この巻にはナーガが出てないな。


 「ロスト・メモリー」は、記憶喪失ネタ。
 街道沿いに倒れている女性を助けたら、記憶喪失だった。で、成り行きで記憶を取り戻す手伝いをすることに。そこに、犬使いの男が現れるが、いまいち行動が読めない。
 結局、記憶喪失のフランソワは、リナ抹殺の依頼を受けた殺し屋の片割れラヴィニアだった、と。強く殴りすぎて、本当に記憶喪失になり、作戦は失敗。しかも、依頼した盗賊団はリナによって先に壊滅していたという。
 結局、二人とも、改めて吹っ飛ばされることに…
 「乙女の狩猟本能っていうか、あたしって脊髄反射で攻撃したい年頃だし」ってのが笑う。


 「スタンプ・トゥ・キル」。
 いやいや、フェタール隊長駄目すぎるだろう。殺害対象のマークが自分に押されていたからって、関係ない人にも押しまくる酷さ。これで、領主の娘婿で、お気に入り。美人の妻と子供付きとか。理不尽すぎる。一方で、同僚や部下からの評判は地の底に堕ちているという…
 フェタールによる「検問」で、理不尽にも、殺人鬼騒動巻き込まれたリナは、「スリープアイ」なる殺し屋の退治に奔走する破目になる。インク生産用のキメラが、殺人用になってしまった。そして、気にいらない人間を殺しまくっていた、と。
 前後編構成になって、こういうサスペンス系、けっこう増えた感じだな。


 最後は、ちょっと遠回りの自分探しの旅。明後日の方向に行きすぎだと思うw


 書き下ろし、「ファミリー・ポートレート」は、「スタンプ・トゥ・キル」のフェタール隊長とリュカー君再登場。書状を運ぶ任務のはずが行方不明のフェタール隊長一家。実は、物見遊山で寄り道しまくっていた。
 そして、書状を執拗に狙う謎の存在。
 つーか、どこまで恨み買ってんだフェタール隊長。そういえば、協力要請のときも、「怨」だけだったんだっけ…