渡瀬草一郎『空ノ鐘が響く惑星で 10』

空ノ鐘の響く惑星で〈10〉 (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で〈10〉 (電撃文庫)

 あと一冊で終わらないよなあと思ったら、文庫本ケースに入りきれなくて、どこか他所に置いてたんだった。地震のあと、飛び散った文庫をかき集めて、ダンボールに入れて物置につっこんであるから、最短でも3ヶ月は完結編が読めないという。
 それに気付いて、11巻が、全然読み進まない…


 いよいよ、ラトロア編といった感じか。ラトロア側の主要キャラが描写される。
 また、今まで描写が薄かったイリス以下の来訪者のキャラが、掘り下げられる。なんか感じの悪い女というイメージしかなかったイリスが、立派なツンデレさんに変貌しているのが驚き。あとは、平常運転のパンプキンに、人体実験の影響で人格が奪われたカトルの復活の兆しとか。
 一方で、ジェラルドやメビウスに反対する側の存在も。ダルグレイ議員やハーミットの兄など、開戦を回避しようとする勢力の存在。
 あとは、死の神霊の機能とか。分からないものを、適当にいじっている感がコワい。


 一方、フェリオたちは、ジラーハのウィータ神殿でいろいろと。
 フェリオが将来の義父に会ったり。神姫のフェリオと強引にくっつけようとする陰謀とか。タートム側との和平交渉。ある種、平穏な日々。
 しかし、それも覆る。
 ラトロア側の捜査によって、ウィータ神殿の御柱からも、屍の兵の無限増殖と、神姫暗殺のため逃走したリカルドの送り込みが行われる。これによって、ウィータも機能停止。
 さらに、ダルグレイ議員が派遣した、ジラーハの要人を招請する使者の到来。
 開戦を防ぐ手段を知ったウルクには、スイッチが入ってしまう。ウルク、フェリオ、ムスカ、シア、リセリナ、シルヴァーナ、ハーミットと、主要メンバー勢揃いで、ラトロア行き決定。
 クライマックスは、ラトロアで、か。