渡瀬草一郎『空ノ鐘が響く惑星で 9』

空ノ鐘の響く惑星で〈9〉 (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で〈9〉 (電撃文庫)

 ラスボスの登場がここって、ずいぶん重役出勤だなあ。
 タートムの侵攻を退け、束の間の平和を享受するアルセイフ。なんか、恋の季節になっているな。ブラドーとソフィア、クラウスとニナ、ハーミットとシルヴァーナ。フェリオとウルク、リセリナの関係も、ちょびっと進展。本気で恋愛に疎いというか、自己評価が低く、積極的に恋愛に踏み出せないフェリオ。それに対して、酒の勢いを借りてとはいえ、直接、思いを伝える。一方で、リセリナは、遠慮が強すぎて、訳のわからないことに。というか、ある種の破滅願望っぽい感じだな。


 しかし、やはり、ラトロアの影は及んできて。
 ラトロアの秘密警察の幹部、東方諸国の攪乱作戦の責任者であるメビウス・フロンダイトが、乗り込んでくる。トリックスター系統のキャラだな。そして、リセリナの「父親」エルシオン・エアルにそっくり。クローンか何かかいな。
 「民主国家」ラトロアの元首、ジェラルドの混乱が進歩を招くって思考、あるある感が嫌だなあ。


 ジラーハ=ウィータ神殿との同盟とタートムとの和睦のための使者として、フェリオは、ウルクやリセリナたちと旅立つ。