神坂一『スレイヤーズすぺしゃる17:小さな濃いメロディー』

 10冊目。一巻飛んで、17巻。途中に、『空ノ鐘が響く惑星で』が割り込んで、ずいぶんと間が開いてしまった。


 「小さな濃いメロディー(前後)」、「仁義なき場所取り(前後)」、「巨大生物の山」、書き下ろしで「嵐も前に」。「巨大生物の山」は、何らかの事情で掲載されていなかったものを、押し込んだのかな。


 「小さな濃いメロディー」は、濃い顔をした吟遊詩人に付きまとわれたリナが、そいつを厄介払いするまで。なかなか、ぶっ飛んでいて楽しい。
 魔道士協会からの依頼で、借りパクされたマジックアイテムを、領主から奪還する極秘任務。しかし、リナの歌を作るとついてくる、濃い吟遊詩人ことユジーンに邪魔されてしまう。犯人をでっち上げ、遁れようとするリナとユジーン。しかし、なかなかうまく行かない。最終的に、ユジーンがパクって来ていたので、ユジーンが犯人ということに。
 リナの名前を聞いたとたんにおとなしくなって、最終的に更正しちゃう盗賊が笑う。運よく、泥棒の犯人にされなくて良かったねとしかw


 「仁義なき場所取り」は、アニムジアという木のお花見の場所取りを依頼されたリナが、ウランバール賢者協会のレナードと死闘を繰り広げる。レナードのあほっぷりとしつこさが凄まじい。目的を失って、ロードの城をゴーレム化しちゃうのは、本当にアレw
 後半は、むしろ、レナードの助手マリアメイン。財産目当てって、リナの同類だな。そして、戦闘力は高い。結局、レナードに幻滅して、離れることに。


 「巨大生物の山」は、逃げ出した実験動物、すなわちやたらとでかいウサギやフクロウなどを捕獲するように依頼される。しかし、生け捕りの必要もあって、なかなか、うまく行かない。さらには、謎のチームの介入があって。
 相変わらず、ナーガの人望は謎だw
 身近に裏切り者というのは、すぺしゃるで割りと多いパターンのような。


 ラスト、「仁義なき場所取り」の続き。メインは元助手のアリス。
 玉の輿を狙う少女アリスは、新たな標的を発見。しかし、その男は、ナーガに気を取られていて。そこから、なぜか、金貨200枚を賭けた争奪戦に参戦することになって…
 リナと互角に戦えるレベルのマリアも含めて、三人揃うと、快進撃ですな。