『T-54/T-55/T-62戦車写真集』

 ホビージャパンの戦車のディテール写真集。このあたりの眷属、全然知らなかった。一括して、T-55としか認識していなかったな。あと、ソ連戦車って、基本的に、どれも一緒に見える…


 ドイツのムンスター戦車博物館とポーランドの軍事技術博物館に展示されている車両のディテールを狙った写真集。だいたい、どれも同じ基本設計で、能力強化のために、段階的に改良を加えていった感じか。戦後第一世代の主力戦車としてデザインされたのがT-54。低平なシルエットに、100ミリ砲をのっけたもの。このシルエットが、戦後ソ連戦車の基本デザインになった。で、これにNBC戦対応のエアコンなどを付加したのがT-55。115ミリ滑腔砲を載せて、火力を強化したのがT-62という理解でいいのかな。
 内部を見ると、操縦席の操行ハンドルが機械式で、操縦するのが大変そうだなあという印象。あと、やはり、内部は徹底的に詰め込んであるなあ。掃除するのが大変そうな詰め込みっぷり。車体内部は白で塗られていて、装備品はオリーブドラブで塗られている。T-54、55は、砲塔の天板が、二枚の鉄板を溶接して作ってあるというのが印象に残る。
 ムンスターに展示されている、部分的にカットモデルのT-55AM2Bがすごく良い。カットされていて、内部が見られるから、車体の転輪の裏側あたりに、なんかパイプかコードがたくさん這っているとか、追加装甲がゴムと薄い鉄板の積層構造であるとか、いろいろと普段見られないところが見られる。砲塔と車体に追加装甲をつけると、そりゃ、5-6トンはすぐに重くなるわな。二世代以降の戦車の火力とか、対戦車ミサイルに対抗するには、このくらいの走行が必要だった。ゴム積層ってのは、成形炸薬弾への対抗を意識したのかな。
 というか、もともとのT-54の車体装甲100ミリというのが、意外と薄い感じ。ティーガー戦車はもっと厚いよなあ。重量は半分だけど。戦後で比較すると、レオパルド1あたりはもっと薄いのか。


 巻末に、T-54系列の戦車のプラモキットの一覧があるけど、どれも高いなあ。最近の戦車模型は8000円が基本なのか。比較的安価なタミヤのキットも、普通に5000円くらいなっているし。3000円くらいで買えるようにしてほしい。
 1/35スケールがディテール競争になっているから、最近のタミヤは簡単で安い1/48を出しているのかな。