ロード・エルメロイII世の事件簿 3 「case.双貌塔イゼルマ(下)」 (角川文庫)
- 作者: 三田誠,坂本みねぢ,TYPE-MOON
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/06/14
- メディア: 文庫
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そこに、ロード・エルメロイ2世のアイデアで、白銀姫を端末にした黄金姫の似姿を投影。一切の魔術を封じ、アトラムを含む全員を交渉のテーブルに着かせることに成功。
そこから、種明かしに。関係者に記憶を失う薬を飲んだ人間が多いのが、事態を混迷させた要因か。
本物の黄金姫、ディアドラは、遺伝的な問題で死亡。その後、橙子を呼んで、メイドを整形、黄金姫に仕立て上げる。で、橙子が暴走しまくって、呪物を燃やして、「シンデレラ」の魔法をかける。結果、「美しいもの」を見続けた三人目、身代わりのメイド、カリーナが、本物以上の美しさを発揮してしまう。一定の段階からは、三人目が必要だった。それが、イゼルマ家の隘路だったわけか。
で、その美しさに魅せられた男が暴走して、カリーナを殺害。
その人物を守るために、白銀姫とメイドのレジーナが暗躍、と。封印指定を避けるためにも、彼女たちは逃げ出す必要があった。それをもみ消されないために、ライネスを巻き込んだ、と。
橙子のキレっぷりがすごいなあ。おもしろそうで、とんでもない遺産をいともあっさり使い捨てにしてしまうとか、すさまじいトリックスターぶり。『空の境界』ではどうだったっけ。もっと投げやりっぽいキャラだったような気がするが。
寸分違わぬ人形を作って、死んでも、そっちに移るだけって、もう人間じゃねーな…